日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラライカ」の意味・わかりやすい解説
バラライカ
ばららいか
балалайка/balalayka
ロシア、ウクライナのリュート属撥弦(はつげん)楽器。平たい三角形の胴が特徴的で、三角形の一つの頂点からフレット付きの長い棹(さお)が伸びている。3本の弦はガット製または金属製で、胴の下端から張られる。表板上には駒(こま)と小さな響孔が設けられている。現在では音域の異なる大小6種類の楽器が整えられており、もっとも小さいものと大きなもの二つが4度間隔、ほか4種は低音2弦が同度、残り1本が4度上に調弦される。たとえば、もっとも中心的な楽器でE4―E4―A4である。右手の指先で直接はじいて演奏し、独奏や伴奏のほか各種バラライカの合奏にも用いられる。この楽器は、リュート系のドムラdomraから18世紀に生まれ、当初は2本弦であったが18世紀のうちに3本弦になった。
[前川陽郁]