バルサム(読み)ばるさむ(英語表記)balsam

翻訳|balsam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム
balsam

樹木から天然に,あるいは樹皮に傷をつけて分泌された粘稠性の樹脂天然樹脂 (レジン) がオイルエステル (精油) の中で溶液またはエマルジョン (乳濁液) になっているもの。普通,生木からとれる半液体状の分泌物をさすが,固体のものも含む。一般に水に不溶,アルコールにほとんど溶解する。接着剤塗料テレビン油に利用されるほか,一部の芳香性樹脂は香料,香気保留剤として使われる。中央アメリカに産するペルーバルサム,南アメリカ北部に産するトルーバルサムが有用である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルサム」の意味・わかりやすい解説

バルサム
ばるさむ
balsam

天然樹脂の一つ。針葉樹から分泌される粘い液体で、固形樹脂(天然樹脂)が揮発性の精油に溶けた形になっている。オレオレジンoleoresinともいう。精油を分けるには水蒸気蒸留によるのが普通である。北アメリカのバルサムノキから産するカナダバルサムは光学材料に用いられ、ジャワ島や中国に産するグルユンバルサムは医薬、塗料に、アラブ諸国やエチオピアに産するメッカバルサムは香料や医薬に用いる。

垣内 弘]

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