常緑の着生ランで,インド北部からフィリピン,インドネシア,さらにニューギニアにかけて約25種が分布する。花は腋生(えきせい)の総状花序につき,花弁および萼片は丸形で平面的に開出し,多くは青紫から桃色で美しく,熱帯では重要な観賞,切花用のランの一群となっている。葉は角質で広線形のものから,肉質で円柱状のものまである。バンダ・コエルレアV.coerulea Griff.ex Lindl.はヒマラヤ地域原産で,春に紫色花をつける。白花をはじめ多くの品種が育成されているだけでなく,他種との交配母種としても重視され,交雑品種の重要な母種となっている。バンダ・テレスV.teres (Roxb.) Lindl.はヒマラヤからタイにかけての地域が原産で,茎は2~3mの高さに伸びあがり,多肉線形の葉をつける。高温,直射日光のもとでよく生育開花し,東南アジアでは庭園や花壇に植えこまれるが,これと着生種との交雑から高性品種や,地植えの多くの園芸品種が生まれている。バンダ属は野生種でも美しい花をつける種が多く,多くの種が採取,栽培されている。
種間交配も盛んで,ハワイやシンガポールで多くの品種が育成されている。また近縁のアスコセントルム属Ascocentrum,アラクニス属Arachnis,エリデス属Aerides,レナンテラ属Renantheraなどの間にアスコケンダAscocenda,アランダAranda,レナンタンダRenantandaなどの属間雑種が生まれている。
熱帯系で高温多湿を好むため,日本では冬は最低15℃,湿度70%くらいで栽培する。夏は生長期なので,水と肥料を多く与え,多くの種は日光を50%ほど遮光するとよい。
執筆者:江尻 光一
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フランスの思想家。パリ生まれ。ドレフュス事件に際してドレフュス派の論客として登場、最初ペギーの『半月手帖(はんげつてちょう)』誌Cahier de la Quinzaine(カイエ・ド・ラ・キャンゼーヌ)に協力した。しかし純粋な知性主義の立場にたち、それを体現すべき知識人を「聖職者」とよび、生涯にわたってそれを擁護し、その逸脱を批判し続けた。そうした思想は、ベルクソン哲学を「流動の哲学」として論難した『ベルクソニスム』(1912)、文学の古典主義からの偏向を攻撃した『ベルフェゴール』(1919)、知識人の現実問題への容喙(ようかい)を戒めて大きな反響をよんだ『聖職者の背任』La Trahison des clercs(1927)にうかがえるであろう。とはいえ、1930年代からレジスタンス期には彼自身社会参画を行っている。ほかに小説『叙任式』(1911)、評論『ビザンチウム人のフランス』(1945)、自伝三部作『聖職者の青春』(1936)、『世紀の修道士』(1938)、『世捨人の修練』(1946)などがある。
[渡辺一民 2015年6月17日]
マラウイの政治家。ニヤサランド北部カスングに生まれる。アメリカとイギリスに留学し医師の資格をとり、1942年イギリスで開業。この時期、ケニヤッタ、エンクルマらと交際し民族運動に目覚める。1953年ガーナに移り開業したが、1958年ニヤサランド・アフリカ人民会議党の招請で帰国。中央アフリカ連邦の解体と独立を主張し逮捕された。1960年選挙で会議党が勝ち、天然資源相となり、1964年の独立とともに大統領就任。親南ア路線の国家建設を進め、1971年終身大統領になる。以後30年近く独裁政治を行った。1994年、援助国の圧力で複数政党制による大統領選挙を実施し、ムルジ大統領に敗れた。独裁時代の罪で起訴されたが、最高裁で無罪となった。1997年11月、入院中のヨハネスバーグ病院で死去、91歳。
[林 晃史]
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…深層部ほど塩分が多いため年間を通して深層の水が循環せず,無酸素層を生じやすい。また湖水の表面下で最高水温を示す湖もあり,南極のバンダ湖のように表面が結氷していても底層水温が25℃もある湖もある。日本では降水量が年中蒸発量を上回るため,蒸発濃縮による塩湖はなく,裏磐梯の青沼(1.491g/l)などのように火山地域の高塩分の流入水による塩湖が若干みられる。…
※「バンダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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