バンダ(英語表記)Vanda

デジタル大辞泉 「バンダ」の意味・読み・例文・類語

バンダ(Julien Benda)

[1867~1956]フランス哲学者。徹底した合理主義者として、ベルクソン哲学・弁証法実存主義などを批判した。著「聖職者背任」。

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精選版 日本国語大辞典 「バンダ」の意味・読み・例文・類語

バンダ

  1. ( Julien Benda ジュリアン━ ) フランスの思想家。徹底した合理主義の立場にたち、弁証法的唯物論や実存主義を批判し、ベルグソン哲学・民族主義国家主義に反対した。主著「聖職者の背任」。(一八六七‐一九五六

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改訂新版 世界大百科事典 「バンダ」の意味・わかりやすい解説

バンダ
Vanda

常緑の着生ランで,インド北部からフィリピン,インドネシア,さらにニューギニアにかけて約25種が分布する。花は腋生(えきせい)の総状花序につき,花弁および萼片は丸形で平面的に開出し,多くは青紫から桃色で美しく,熱帯では重要な観賞,切花用のランの一群となっている。葉は角質で広線形のものから,肉質で円柱状のものまである。バンダ・コエルレアV.coerulea Griff.ex Lindl.はヒマラヤ地域原産で,春に紫色花をつける。白花をはじめ多くの品種が育成されているだけでなく,他種との交配母種としても重視され,交雑品種の重要な母種となっている。バンダ・テレスV.teres (Roxb.) Lindl.はヒマラヤからタイにかけての地域が原産で,茎は2~3mの高さに伸びあがり,多肉線形の葉をつける。高温,直射日光のもとでよく生育開花し,東南アジアでは庭園や花壇に植えこまれるが,これと着生種との交雑から高性品種や,地植えの多くの園芸品種が生まれている。バンダ属は野生種でも美しい花をつける種が多く,多くの種が採取,栽培されている。

 種間交配も盛んで,ハワイやシンガポールで多くの品種が育成されている。また近縁のアスコセントルムAscocentrum,アラクニス属ArachnisエリデスAerides,レナンテラ属Renantheraなどの間にアスコケンダAscocenda,アランダAranda,レナンタンダRenantandaなどの属間雑種が生まれている。

 熱帯系で高温多湿を好むため,日本では冬は最低15℃,湿度70%くらいで栽培する。夏は生長期なので,水と肥料を多く与え,多くの種は日光を50%ほど遮光するとよい。
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バンダ
Julien Benda
生没年:1867-1956

フランスの思想家。ドレフュス事件に際してドレフュス派の論客として登場,理性・知性擁護の立場に立ち,それを体現すべき知識人を〈聖職者〉と名づけ,生涯その逸脱を厳しく批判しつづけた。その思想は,ベルグソン哲学を〈流動哲学〉として論難した《ベルグソニスム》(1912),知識人の現実問題への容喙(ようかい)を戒め大きな反響を呼んだ《聖職者の背任》(1927)にうかがわれる。もっとも1930年代からレジスタンス期には彼自身社会参画を行っている。作品としてほかに小説《叙任式》(1911),文学論《ベルフェゴール》(1919),自伝などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンダ」の意味・わかりやすい解説

バンダ(Julien Benda)
ばんだ
Julien Benda
(1867―1956)

フランスの思想家。パリ生まれ。ドレフュス事件に際してドレフュス派の論客として登場、最初ペギーの『半月手帖(はんげつてちょう)』誌Cahier de la Quinzaine(カイエ・ド・ラ・キャンゼーヌ)に協力した。しかし純粋な知性主義の立場にたち、それを体現すべき知識人を「聖職者」とよび、生涯にわたってそれを擁護し、その逸脱を批判し続けた。そうした思想は、ベルクソン哲学を「流動の哲学」として論難した『ベルクソニスム』(1912)、文学の古典主義からの偏向を攻撃した『ベルフェゴール』(1919)、知識人の現実問題への容喙(ようかい)を戒めて大きな反響をよんだ『聖職者の背任』La Trahison des clercs(1927)にうかがえるであろう。とはいえ、1930年代からレジスタンス期には彼自身社会参画を行っている。ほかに小説『叙任式』(1911)、評論『ビザンチウム人のフランス』(1945)、自伝三部作『聖職者の青春』(1936)、『世紀の修道士』(1938)、『世捨人の修練』(1946)などがある。

[渡辺一民 2015年6月17日]


バンダ(Hastings Kamuzu Banda)
ばんだ
Hastings Kamuzu Banda
(1906―1997)

マラウイの政治家。ニヤサランド北部カスングに生まれる。アメリカとイギリスに留学し医師の資格をとり、1942年イギリスで開業。この時期、ケニヤッタ、エンクルマらと交際し民族運動に目覚める。1953年ガーナに移り開業したが、1958年ニヤサランド・アフリカ人民会議党の招請で帰国。中央アフリカ連邦の解体と独立を主張し逮捕された。1960年選挙で会議党が勝ち、天然資源相となり、1964年の独立とともに大統領就任。親南ア路線の国家建設を進め、1971年終身大統領になる。以後30年近く独裁政治を行った。1994年、援助国の圧力で複数政党制による大統領選挙を実施し、ムルジ大統領に敗れた。独裁時代の罪で起訴されたが、最高裁で無罪となった。1997年11月、入院中のヨハネスバーグ病院で死去、91歳。

[林 晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンダ」の意味・わかりやすい解説

バンダ
Banda, Hastings Kamuzu

[生]1898頃. イギリス中部アフリカ保護領,カスング付近
[没]1997.11.25. 南アフリカ共和国,ヨハネスブルク
マラウイの政治家。アメリカ合衆国のインディアナ大学,シカゴ大学,メハリー医科大学,イギリスのエディンバラ大学などで学び,1945~53年ロンドンで,次いで 1953年ガーナで医院を開業。ロンドン時代にクワメ・エンクルマ,ジョモ・ケニヤッタなどと接触し,民族主義に目ざめた。1958年帰国後アフリカ人会議ニアサランド支部の指導者となる。1959年3月~1960年4月ローデシア=ニアサランド連邦化の反対闘争のため入獄(→ローデシア=ニアサランド連邦)。1961~63年天然資源・調査・地方行政大臣,1963~64年ニアサランド首相。1964年7月マラウイとして独立と同時に首相に就任。1966年7月共和国移行に伴い初代大統領に選ばれた。1971年6月終身大統領を宣言。現実主義者として知られ,すでに 1967年に南アフリカ共和国と外交関係を結んでいた。のちに高齢のため後継者問題が浮上,また 1990年代に入って民主化運動も高まり,複数政党制導入後最初の,1994年5月に行なわれた大統領選挙で敗北した。

バンダ
Benda, Julien

[生]1867.12.26. パリ
[没]1956.6.7. パリ
フランスの哲学者,批評家。パリ大学文学部卒業。ドレフュス事件を純理論的に論じた論文 (1898) により論壇に登場し,ペギーの雑誌『半月手帖』に協力,ベルグソン哲学を「流動の哲学」と非難した『ベルグソニスム』 Le Bergsonisme (1912) により名声を得た。主著,反ロマン主義文学論『ベルフェゴール』 Belphégor (19) ,政治的思考にとらわれた知識人を批判した『聖職者の背任』 La Trahison des clercs (27) 。

バンダ
Vanda

ラン科のバンダ属のことで,マレー地方からインドに約 25種ある。花が美しいので温室に多く栽培される。気根をもった着生ランで,茎を短くあるいは長く伸ばし,枝を分つ。葉は2列に互生し,普通扁平でときに筒状となる。花は葉腋から総状花序をなして多数つき,萼片と花弁はほぼ同長,開出する。よく栽培される種類としてはヒスイラン V. coerulea,ヒョウモンラン V. tricolor,テレスバンダ V. teresなどがあり,花は青紫色,白色,ピンクなどのものが多い。

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百科事典マイペディア 「バンダ」の意味・わかりやすい解説

バンダ

インド,東南アジアからオーストラリア,ニューギニアにかけて原産するラン科の一属で,約30種がある。太い気根を出して樹上に着生し,帯状葉をもつ種と,棒状葉をもつ種がある。長い花柄に総状に美しい花を十数個つける。概して花弁と萼片は同形だが唇(しん)弁は小さく,花色は白・黄・赤褐・紫紅・淡青色等,またそれらの混合した斑点模様などになる。温室内で栽培するが,光線を十分に与え,乾燥は禁物。かおりの高いものもある。交雑種も多い。

バンダ

フランスの哲学者。ドレフュス事件に際し,ドレフュス擁護でデビュー。徹底した主知主義者として,真の知識人を〈聖職者〉と位置づけ,感覚や行動に絶対的価値を認めようとする現代思潮を批判した。主著は《ベルグソニスム》(1912年),《ベルフェゴール》(1919年),《聖職者の背任》(1927年)など。

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世界大百科事典(旧版)内のバンダの言及

【塩水湖】より

…深層部ほど塩分が多いため年間を通して深層の水が循環せず,無酸素層を生じやすい。また湖水の表面下で最高水温を示す湖もあり,南極のバンダ湖のように表面が結氷していても底層水温が25℃もある湖もある。日本では降水量が年中蒸発量を上回るため,蒸発濃縮による塩湖はなく,裏磐梯の青沼(1.491g/l)などのように火山地域の高塩分の流入水による塩湖が若干みられる。…

※「バンダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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