パスタ剤(読み)ぱすたざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パスタ剤」の意味・わかりやすい解説

パスタ剤
ぱすたざい

医薬品粉末を多量に含む軟膏(なんこう)様の外用剤で、泥膏(でいこう)ともいわれる。日本薬局方では軟膏剤に含めている。すなわち、軟膏剤のうちで固形成分のとくに多いものをパスタ剤と称している。歯科用の亜ヒ酸パスタ、歯科用パラホルムパスタ、歯科用トリオジンクパスタがあり、皮膚疾患用にはウィルソンパスタ、ラッサールパスタ、タールパスタなどがかつてはよく用いられたが、現在はあまり使用されていない。ウィルソンパスタは安息香豚脂に20%の割合酸化亜鉛を配合したもの、ラッサールパスタはサリチル酸亜鉛華パスタともいわれたものである。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パスタ剤」の意味・わかりやすい解説

パスタ剤
パスタざい
paste

泥膏 (でいこう) 剤ともいう。多量の粉末薬品を軟膏状にした外用剤。粉末薬品としては亜鉛華,サリチル酸,デンプン昇華硫黄炭酸カルシウムタルクなどがあり,基剤としては豚脂,ワセリンラノリンなどを使う。皮膚に付着し,成分を浸透させ,また分泌物を吸収する。

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