インドネシア,東ジャワ州の同名県の県都。人口17万6987(2003)。東ジャワ州の州都スラバヤの南東約50km,マドゥラ海峡に面した港町である。県の海岸部(北部)は平坦で肥沃な農地が広がり,米,サトウキビ等の生産が行われている。南部には,東に観光地かつ霊山として名高いブロモ山(2392m)が,西には秀麗な火山アルジュナ山(3239m)がそびえる。アルジュナ山の山麓には避暑地トレテスがあり,その近在にはシンガサリ王朝の遺構ジャウィ寺院がある。パスルアンの町はすでに16世紀初めには存在していたといわれ,また18世紀初頭にこの地方はスラパティらによる対オランダ反乱の根拠地となった。19世紀以降,砂糖の積出し港として栄え,サトウキビの品種改良等で名高い糖業試験場がここに設けられた。
執筆者:加納 啓良
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報