パロ(英語表記)Paro

デジタル大辞泉 「パロ」の意味・読み・例文・類語

パロ(Paro)

ブータン西部、パロ県の都市同県県庁所在地標高約2300メートル、パロ川が流れる谷間に位置する。同国唯一の国際空港をもつ。17世紀前半、建国の父と称されるシャプトゥン(ガワン=ナムゲル)がチベット侵攻に備えて建造した城パロゾン国立博物館などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「パロ」の意味・わかりやすい解説

パロ
Paro

インド亜大陸北東部,ブータン西部の都市。大ヒマラヤ山脈から南東に延びる支脈に囲まれた標高約2300mのパロ盆地にある。ウォン川の支流パロ川が流れるブータン山間部では最も大きな谷底平野で,水田が広がる。4層の離宮,リンチェン・ポン・ゾン(パロ・ゾン。ゾンは〈城塞〉の意)をもち,街村状のバーザールが所在する。同城はラマ教寺院と政庁とが合体した構造をもち,ブータン建築の代表例とされる。近くのタ・ゾンには国立博物館が開設されている。南のインド国境部のプンツォリンおよび首都ティンプーまで自動車道路が通じる。また,ブータンの主要空港がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パロ」の意味・わかりやすい解説

パロ
Parrot, André

[生]1901.2.15. デサンダン
[没]1980.8.24. パリ
フランスの考古学者。パリ神学大学とパリ大学で旧約聖書学を学び,ルーブル学院アッシリア学専攻。 1926年エルサレムのフランス考古学学院に配属され,1928年ビブロス発掘に参加。 1930~31年および 1935年テルロー発掘を指揮。 1933年以降マリ発掘の調査団長として 10回以上の発掘を行なう。 1937年ルーブル学院教授,1945年ルーブル博物館長。主著『メソポタミアの考古学』 Archéologie mésopotamienne (2巻,1946~52) ,『ジッグラトとバベルの塔』 Ziggourats et Tour de Babel (1949) ,『シュメール』 Sumer (1960) ,『アッシュール』 Assur (1961) 。

パロ
Paro

ブータン西部の町。首都ティンプーの南東約 35km,ウォン川支流パロ川の河谷平野,標高約 2400mの水田地帯にある。谷沿いに通るチベットとの古くからの交通路の要地で,パロ・ゾン (リンプン・ゾンともいう) と呼ばれる城塞が建てられている。ゾンの中に地方行政庁と僧院があり,ほかに離宮,美しい仏舎利塔,タグ・ゾンに設けられた国立博物館がある。ブータンの文化の中心地の一つであり,観光地として訪れる人もふえている。人口 3000 (1982推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のパロの言及

【アルトー】より

…存在の根底に潜む混沌を肉体を通じて舞台上にはんらんさせ,ペストののっぴきならぬ暴力を演劇によみがえらせようとした。その幻視者的演劇論は《演劇とその分身》(1938)に収められ,J.L.バローらの演劇人,50年代不条理劇,60年代の肉体演劇に強い影響を与えた。その主張は古代ローマの暴君を描いた小説《エリオガバール,あるいは戴冠したアナルシスト》(1934)にもうかがえるが,残酷演劇の実践として上演した《チェンチ一族》は失敗に終わる(1935)。…

【全体演劇】より

…彼の試みが,現実の劇場と結びつくことが無理であればあるほど,その理念は同時代のさまざまな実験をはるかに超えて,演劇の可能性を飛躍的に拡大させたのであった。 このようなアルトーの,観客を挑発し,その全体性に働きかける演劇理念を,のちに明確に〈全体演劇〉と名付けて実践したのが同じフランスの演出家・俳優J.L.バローである。彼は初め師C.デュランから,どんな細部にも不協和音を立てない調和美の演劇を学び,それを基盤にあらゆる演劇の要素を一体化し,劇場空間を一つの詩的宇宙に変容させることに成功する。…

【天井桟敷の人々】より

… 第1部〈犯罪大通り〉,第2部〈白い男〉という2部構成で,1840年代のパリのブールバール・デュ・タンプル(〈犯罪大通り〉の名で呼ばれた)を主要な舞台に,パントマイムを舞台芸術にまで高めた偉大な創始者として知られるJ.G.ドビュロー,ロマン派演劇の名優F.ルメートル,悪名高き犯罪詩人ピエール・フランソア・ラスネールといった実在の人物が,娼婦ガランスやドビュローが活躍したフュナンビュール座の座長の娘ナタリーといった虚構の人物と入りまじって,まさに虚々実々の恋愛絵巻をくりひろげる波乱万丈の物語である。ガランスにアルレッティ,ドビュローにジャン・ルイ・バロー,ルメートルにピェール・ブラッスール,ラスネールにマルセル・エラン,座長の娘ナタリーにマリア・カザレスという完ぺきな配役と,彼らを取り巻く俳優陣(伯爵を演ずるルイ・サルー,〈乞食〉のガストン・モド,下宿屋のおかみジャーヌ・マルカン等々)のみごとな演技もあって,フランス映画の不朽の名作となっている。【広岡 勉】。…

【フランス演劇】より


【20世紀】
 20世紀フランス演劇をその変革の相においてとらえれば,大別して三つの時期を認めることができる。第1は,1913年,J.コポーによる〈ビユー・コロンビエ座〉創設から,両大戦間におけるL.ジュベ,C.デュラン,G.ピトエフ,G.バティの4人の演出家による〈カルテル四人組〉の時代,第2は,J.L.バローによるカルテルの遺産の発展と並行して50年代に起きる三つの事件,すなわちJ.ビラールによる〈民衆演劇運動〉と〈演劇の地方分化〉の成功,E.イヨネスコ,S.ベケット,A.アダモフ,J.ジュネらの〈50年代不条理劇〉の出現,そして〈ブレヒト革命〉であり,第3の時期は,68年のいわゆる〈五月革命〉によって一挙に顕在化した社会的・文化的危機の中で,演劇が体験した一連の大きな〈異議申立て〉(A.アルトーの徴の下に広がった〈肉体の演劇〉を中核とする)とその結果である。
[演出家の時代――コポーと〈カルテル四人組〉]
 演出家で集団の指導者をフランス語でアニマトゥールanimateurと呼び,20世紀を〈アニマトゥールの世紀〉と称するが,コポーはアニマトゥールの枠組みそのものを提示した人物である。…

※「パロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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