アッシリア学(読み)あっしりあがく(英語表記)Assyriology

翻訳|Assyriology

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッシリア学」の意味・わかりやすい解説

アッシリア学
あっしりあがく
Assyriology

楔形(くさびがた)文字、およびこれを使用した民族の文化と歴史を研究する学問。オリエント地方で発見された40万個近い楔形文字粘土板その他の解読とその文献学的研究を中心課題とし、考古学的研究も行う。楔形文字を使用した民族にはシュメール人アッカド人(バビロニア人)、アッシリア人、エラム人、フルリ人ヒッタイト人、ウラルトゥ人、ウガリト人などがある。それらの政治、社会、経済、宗教、美術、文学などと歴史を研究領域としている。1857年にイギリスの王室アジア協会が4人の学者アッシリア語碑文を別個に翻訳させ、その結果が一致したのを確認し、アッシリア学公式に誕生した。広範な学問領域がアッシリア学の名でよばれるのは、初期の発掘で知られたのがアッシリアの遺跡とアッシリア語であったことに由来している。

吉川 守]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アッシリア学」の意味・わかりやすい解説

アッシリア学
アッシリアがく
Assyriology

古代メソポタミアにおけるアッカドの言語,歴史,制度を総合的に研究する学問。 1857年にアッカド語の一方言であるアッシリア文書の解読がイギリスの王立アジア協会企画で行われ,H.タルボット,H.ローリンソン,E.ヒンクス,J.オッペールらがほぼ同時に正確な解読をなしとげたことにより,公式に学問の新分野としての「アッシリア学」が成立するにいたった。

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