パーマー(その他表記)Palmer, Sir Geoffrey

デジタル大辞泉 「パーマー」の意味・読み・例文・類語

パーマー(Arnold Palmer)

[1929~2016]米国のプロゴルファー。攻撃的なプレースタイルが人気を呼び、ゴルフ人気の定着に貢献。4大大会のうちマスターズ全米オープン全英オープンで優勝。PGAツアー通算で62度の優勝を果たした。アーノルド=パーマー。

パーマー(Harold Edward Palmer)

[1877~1949]英国の文法学者・音声学者。大正11年(1922)来日、文部省外国語教育顧問・英語教授研究所所長を務め、日本の口語英語教育に尽力。著「口語英語の文法」など。

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精選版 日本国語大辞典 「パーマー」の意味・読み・例文・類語

パーマー

  1. ( Harold Palmer ハロルド━ ) イギリスの文法学者、音声学者。大正一一年(一九二二)文部省外国語教育顧問として来日。英語教授研究所の開設をはじめ、日本の英語教育の発展に尽力した。(一八七七‐一九四九

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーマー」の意味・わかりやすい解説

パーマー
Palmer, Sir Geoffrey

[生]1942.4.21. ネルソン
ニュージーランドの政治家。首相(在任 1989~90)。ニュージーランド労働党党首。本名 Sir Geoffrey Winston Russell Palmer。ビクトリア大学ウェリントン校で法学士号を取得し,アメリカ合衆国のシカゴ大学にも学んだ。1964~66年,ウェリントン法律事務所に事務弁護士として勤務したのち,教職につき,ビクトリア大学ウェリントン校で政治学講師(1968~69),アメリカのアイオワ大学バージニア大学で法学教授(1969~73),再びビクトリア大学ウェリントン校でイギリス法とニュージーランド法の教授(1974~79)を務めた。1975年にニュージーランド労働党に入党し,1979年の補欠選挙で国会議員に選出された。ウォレスエドワード・ローリング首相の秘書官となり,まもなく副党首(1983~89),副首相と法務大臣,検事総長(1984~89)を務めた。1989年8月,党内の忠誠と世論の支持を失いかけたデービッドロンギ首相がパーマーを後継者に指名して辞任すると,党幹部の同意を得て首相に就任。しかし約 1年後の 1990年9月,ロンギと同様の理由で辞任した。その後はビクトリア大学とアイオワ大学で法学を教え,1994年に法律事務所を共同設立した。2005年に政府が出資する法曹分野の諮問機関である法律委員会の委員長に就任し,議会に法律の見直しなどを提言。1991年に勲爵士に叙された。

パーマー
Palmer, Arnold

[生]1929.9.10. ペンシルバニア,ラトローブ
[没]2016.9.25. ペンシルバニア,ピッツバーグ
アメリカ合衆国のプロゴルファー。フルネーム Arnold Daniel Palmer。ゴルフマスターズトーナメントで史上初の 4度にわたる制覇と獲得賞金 100万ドルを達成した。高校時代に州大会で 2度優勝し,ゴルフの奨学生としてウェイクフォレスト大学に進学。1950年同大学を中退し,沿岸警備隊に勤務。1954年全米アマチュア選手権大会で優勝し,プロに転向した。1955年カナディアンオープンでプロ初勝利。1958年マスターズトーナメントを制して頭角を現わし,以後同トーナメントで 1960,1962,1964年に優勝。ほかの四大メジャートーナメントでは,1960年に全米オープンゴルフ選手権大会で,1961年と 1962年に全英オープンゴルフ選手権大会で優勝。マスターズトーナメントには 1955~2004年の 50年にわたり連続出場を果たした。1980年創設の全米プロゴルフ協会 USPGAのシニアツアー(今日のチャンピオンズツアー)に初回から参戦し,その振興に貢献。2006年競技を引退。生涯で 92のトーナメントで優勝し,うち 62は USPGAのツアー。アーノルド・パーマーエンタープライズゴルフコースの設計会社を経営するなど,実業家としても活躍。2004年大統領自由勲章を受章した。

パーマー
Palmer, Samuel

[生]1805.1.27. ロンドン
[没]1881.5.24. レッドヒル
イギリスの画家,版画家。 1824年 10月 J.リンネルの紹介で会った W.ブレークから強い影響を受け,神秘的で幻想的な風景画を描いた。 26年以降,ケント県のショーラムに住み,27~30年には主として水彩による風景画を最も多く描いた。 34年にロンドンに移り,ウェールズ,イタリアに旅行し,死ぬまで牧歌的な絵を描き続けた。主要作品『聖家族の休息』 (1824~25) ,『ショーラム・ガーデン』 (29頃) 。

パーマー
Palmer, Harold E.

[生]1877.3.6. ロンドン
[没]1949.11.16.
イギリスの声音学者,語学教育家。 1922年文部省の顧問として来日し英語教授研究所を開設し,口頭教授,イントネーション研究の面で日本の英語教育に貢献した。主著に『口語英語文法』A Grammar of Spoken English (1924) ,『英単語の文法』A Grammar of English Words (38) などがある。

パーマー
Palmer, Daniel David

[生]1845.3.7. トロント近郊
[没]1913.10.20. ロサンゼルス
アメリカのカイロプラクティックの創始者。 20歳のときアメリカに移住,1885年にはアイオワ州ダベンポートに転じ,当時流行した磁気療術に興味をもち,独自のカイロプラクティック療法を開発した。 98年,パーマー・カイロプラクティックスクールを開設。

パーマー
Palmer, Herbert Edward

[生]1880
[没]1961
イギリスの詩人,批評家。詩集『二人の吟遊詩人』 Two Minstrels (1921) などのほか,評論『ビクトリア朝以後の詩』 Post-Victorian Poetry (38) ,自叙伝など多数の著書がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パーマー」の意味・わかりやすい解説

パーマー(Harold Edward Palmer)
ぱーまー
Harold Edward Palmer
(1877―1949)

イギリスの英語学者、外国語教授法研究家。ロンドンに生まれ、ベルギーのリエージュ大学を卒業。ロンドン大学での口語英語担当講師を経て、文部省英語教育顧問として1922年(大正11)来日、翌1923年新設の英語教授研究所(1942年に語学教育研究所と改称)の初代所長として口頭教授法を中心とする新教授法(オーラル・メソッド)を提唱、戦時色に向かう1936年(昭和11)に帰国するまで講演、著述、教科書編集などと旺盛(おうせい)に活動し、日本の英語教育界に強い影響を与えた。『口語英語の文法』A Grammar of Spoken English(1924)は音声学の面から口語英文法を解明した主著で、東京帝国大学から文学博士号を受けた。ホーンビAlbert Sidney Hornby(1898―1978)編『オックスフォード上級辞典』Oxford Advanced Learner's Dictionaryの元は、パーマーが日本で構想、企画したものである。

[上野景福 2018年7月20日]


パーマー(Samuel Palmer)
ぱーまー
Samuel Palmer
(1805―1881)

イギリスの画家、版画家。ロンドンに生まれ、初めはターナーの風景画の強い影響を受けた。1824年、J・リネルの紹介で知り合ったブレイクの影響で生来の神秘的傾向を強め、セピアの硬質な線描による宗教的な風景画を制作。27年にはケント州ショーラムに移り、キリスト教の象徴に満ちた幻想的な田園風景を水彩やセピアで描いた。彼のもとを訪れるG・リッチモンドやE・カルバートなどは、古代の詩人や芸術家への関心から自分たちを「ジ・エインシェンツ(古代人)」とよんだ。39年以降ロンドンに戻り、しだいに古典的な作風をみせるようになったが、彼の作品の最良のものは、20年初頭からショーラム滞在時代に描かれた透明感のある風景画にあった。

[谷田博行]


パーマー(Arnold Palmer)
ぱーまー
Arnold Palmer
(1929―2016)

アメリカのプロゴルファー。J・ニクラウス、G・プレーヤー(1935―)とともに近代ゴルフの三大巨人とうたわれた。全米オープン(1960)、全英オープン(1961、1962)、マスターズ(1958、1960、1962)に優勝。積極果敢なチャージと逆転の鮮烈なプレーが大衆ファンの憧憬(しょうけい)の的となり、ゴルフをメジャー・スポーツにした功労者として知られる。年間の賞金王としても長年にわたって記録保持者であった。たびたびの来日で日本でもその人気は高かった。

[水谷 準]

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改訂新版 世界大百科事典 「パーマー」の意味・わかりやすい解説

パーマー
Harold E.Palmer
生没年:1877-1949

イギリスの音声学者,文法学者,語学教育家。ロンドンに生まれ,ベルギーのリエージュ大学を卒業し,ロンドン大学講師となる。1922年文部省顧問として来日し,英語教授研究所(のちの語学教育研究所)を開いて所長となった。教育,著書,講演を通じて,彼のいわゆる〈オーラル・メソッドoral method(口頭教授法)〉を説き普及させ,第2次大戦前の日本の英語教育に大きな影響を与えた。それは同時に,戦後アメリカのC.C.フリーズによる〈オーラル・アプローチ(口頭接近法)〉普及の素地をつくるものであった。オーラル・メソッドは耳と口の訓練を特に重んじたが,一部で誤解されたように,耳と口のみに終始するものではなかった。日本の神保格(じんぼうかく)とも交わり独特の言語理論を開拓し,文法面では〈置換表(サブスティチューション)〉と称する操作により基本文型を練習させようとした。また英語のイントネーションを研究して独自の分類をし,日本語のローマ字化を論じては,音韻論の開拓につとめた。そのほかに基礎語彙,基礎イディオムに関する研究も重要である。
執筆者:


パーマー
Samuel Palmer
生没年:1805-81

イギリスの画家。ロンドン生れ。少年の時から風景画の才能を示し,初期にはJ.M.W.ターナーの強い影響を受ける。しかし,画家リンネルJohn Linnelを通じて1824年にW.ブレークを知ってから,その美術上の継承者として重要な存在となる。ブレークと同様に幼時から神秘的な幻視体験をもち,宗教的な幻想とキリスト教の象徴に満ちた彼の風景画は,イギリス・ロマン派に特異な地位を占めている。
執筆者:

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「パーマー」の解説

パーマー Palmer, Harold E.

1877-1949 イギリスの教育者。
1877年3月6日生まれ。大正11年(1922)沢柳政太郎,松方幸次郎らの招きで来日。文部省語学教育顧問として,翌年英語教授研究所(現語学教育研究所)を設立し,初代所長。オーラル-メソッド(口頭教授法)を提唱,普及させた。昭和11年帰国。1949年11月16日死去。72歳。ロンドン出身。ベルギーのリエージュ大卒。

パーマー Palmer, Henry Spencer

1838-1893 イギリスの土木技師。
1838年4月30日イギリス領インドのバンガロール生まれ。明治16年(1883)来日して日本最初の洋式水道である横浜の水道工事計画を作成。18年再来日して工事を監督,竣工(しゅんこう)させた。ほかに大阪,函館の水道を設計し,横浜築港工事中,明治26年3月10日死去。54歳。

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百科事典マイペディア 「パーマー」の意味・わかりやすい解説

パーマー

英国の音声学・文法学者。ロンドン生れ。1922年―1936年日本に滞在。文部省外国語教授,英語教授研究所所長,文理大・東京外語講師を務め,口頭教授法を導入するなど,日本の英語教育界に多大の影響を与えた。主著《口語英文法》。

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367日誕生日大事典 「パーマー」の解説

パーマー

生年月日:1877年3月6日
イギリスの音声学者,語学教育家
1949年没

パーマー

生年月日:1838年4月30日
イギリスの技術者
1893年没

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世界大百科事典(旧版)内のパーマーの言及

【ハマト】より

…シリア北部の古代都市遺跡。現在名はハマー。オロンテス(アシ)川流域に位置する交通の要衝で,青銅器時代にヒッタイト帝国の影響下に都市として発達し,前1200年ころからはアラム人や新王国時代のヒッタイト人が地方的王朝を樹立した。…

【英語】より

…その背後には日本の国力充実に伴う民族主義,国粋主義の台頭,翻訳書の増加,文法・訳読偏重の変則教授法の結果,〈役に立つ,話せる〉英語力が伸びない,という現実があった。22年イギリスの言語学者H.E.パーマーが文部省外国語教授顧問として来日,翌年には彼を所長として英語教授研究所(後の語学教育研究所)が設立され,英語教育の改革が緒についた。パーマー提唱のオーラル・メソッドoral methodは英語による英語教育で,発音と口頭作業,〈英語で考えthinking in English〉,翻訳の過程を経ずに英語で反応する訓練を強調し(それゆえオーラル・ダイレクト・メソッドoral direct methodとも呼ばれる),この方法はとくに入門期に有効であるとした。…

【基礎語彙】より

…このようなものを〈基本語彙〉と呼び(ときには〈制限語彙〉ともいう),日本の英語教育でも中学・高校の〈必修語彙〉が定められている。英語ではアメリカの教育心理学者E.L.ソーンダイクによる調査(1931)と,やはりアメリカのウェストMichael Westによるもの(1953),またH.パーマーによるいわゆる〈パーマーの3000語〉が有名であり,なおほかにもいろいろな選定語彙表がある。さらに,計画的・系統的に制限された語彙だけで,すべてのことを一応表現できるよう考案されたものをふつう〈基礎語彙〉といい,C.K.オグデンのベーシック・イングリッシュ(850語)が有名である。…

※「パーマー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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