ヒス(読み)ひす(英語表記)Wilhelm His

デジタル大辞泉 「ヒス」の意味・読み・例文・類語

ヒス

ヒステリー」の略。「ヒスを起こす」

ヒス(hiss)

物の擦れ合うような音。録音テープを回したときなどに発生する雑音。「ヒスノイズ」

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精選版 日本国語大辞典 「ヒス」の意味・読み・例文・類語

ヒス

  1. 〘 名詞 〙ヒステリー」の略。
    1. [初出の実例]「ほら、ヒスがはじまったよ」(出典:日本三文オペラ(1932)〈武田麟太郎〉)

ヒス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] hiss ) 物の擦れ合うような音。録音テープを回したときなどに発生する雑音。「ヒスノイズ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒス」の意味・わかりやすい解説

ヒス(Wilhelm His)
ひす
Wilhelm His
(1831―1904)

スイスの解剖学者、発生学者。バーゼル生まれ。バーゼル、ベルリンウュルツブルクの各大学で医学を学び、その間ヨハネス・ミュラーウィルヒョウらに師事した。1857年バーゼル大学、1872年ライプツィヒ大学の教授となる。発生の仕組み(機構)の研究で名高く、胎児の発生の研究から、妊娠時期を最終月経の初日から計算する方法を開発した。またミクロトームを発明して顕微鏡の利用法を飛躍的に拡大し、組織学の発展にも貢献した。

 同姓同名の息子(1863―1934)はバーゼル、ゲッティンゲン、ベルリンの各大学で内科学の教授を歴任、心臓の刺激伝導系の発見で知られる。房室束ヒス束ともよばれる。

[澤野啓一]


ヒス(Alger Hiss)
ひす
Alger Hiss
(1904―1996)

アメリカ官吏。1936年国務省入りし、1945年サンフランシスコ国連創設総会事務総長、翌1946年第1回国連総会米代表団首席顧問。1947~1949年カーネギー国際平和財団理事長。マッカーシズムの赤狩り攻撃の代表的犠牲者一人で、1948年下院非米活動委員会でソ連スパイの疑いをかけられる。偽証罪に問われ、1951年に有罪判決を受けた。ヒスは一貫して無実を主張していた。

藤本 博]

『井上謙治訳『汚名――アルジャー・ヒス回想録』(1993・晶文社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒス」の意味・わかりやすい解説

ヒス
Hiss, Alger

[生]1904.11.11. ボルティモア
[没]1996.11.15. ニューヨーク
アメリカの元国務省高官。ハーバード大学法学部卒業。 1936年国務省に入り,F.ルーズベルトの顧問としてヤルタ会談に出席。 45年サンフランシスコ国連創設会議臨時事務総長,46年ロンドンの第1回国連総会でアメリカ代表団首席顧問,46~49年カーネギー世界平和財団総裁。 48年夏,アメリカ下院非米活動委員会は,元共産党員 W.チェーンバーズ (当時『タイム』誌編集主任) から,「37,38年にヒスから国務省の秘密文書を手渡された」との証言を引出した。ヒスはこれを否定したが,結局偽証罪に問われ,50年1月禁錮5年の判決を言い渡され,服役。 54年刑期満了前に釈放されたが,ヒスは終始無罪を訴え続け,92年無罪が確認された。この事件を契機として J.マッカーシー上院議員は「国務省に浸透している共産主義者」の摘発に拍車をかけた。

ヒス
His, Sir Wilhelm

[生]1831.7.9. バーゼル
[没]1904.5.1. ライプチヒ
スイス系のドイツの解剖学者,発生学者。 J.ミュラー,R.ウィルヒョーなどに師事し,バーゼル大学教授 (1857) 。 1872年にライプチヒ大学に招かれ,解剖学研究所を創立。人体発生学を創始し,リンパ系組織学,胎児の発生学に業績がある。顕微鏡用に標本を薄切するためのミクロトームの考案者。妊娠期間を算出するヒス法則もその創案。

ヒス
His, Wilhelm Jr.

[生]1863
[没]1934
ドイツの解剖学者,心臓学者。 W.ヒスの子。バーゼル大学,ゲッティンゲン大学教授 (1907~32) 。 1893年,心臓の刺激伝導系のヒス束 (→房室束 ) を発見。 1907~26年,ベルリン大学教授。

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百科事典マイペディア 「ヒス」の意味・わかりやすい解説

ヒス

スイスの解剖学者,発生学者。ベルリンその他で医学を修め,のちにライプチヒ大学教授。ヒトの胎児の発生などを精密に研究して,発生機構学の基礎をつくった。また子のヒスWilhelm His〔1863-1934〕は医学者,生理学者としてバーゼル,ベルリン両大学その他の教授を歴任。哺乳(ほにゅう)類の心臓の心房と心室の間にある心筋繊維束を発見した。

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367日誕生日大事典 「ヒス」の解説

ヒス

生年月日:1863年12月29日
ドイツの解剖学者
1934年没

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