スイスの解剖学者、発生学者。バーゼル生まれ。バーゼル、ベルリン、ウュルツブルクの各大学で医学を学び、その間ヨハネス・ミュラー、ウィルヒョウらに師事した。1857年バーゼル大学、1872年ライプツィヒ大学の教授となる。発生の仕組み(機構)の研究で名高く、胎児の発生の研究から、妊娠時期を最終月経の初日から計算する方法を開発した。またミクロトームを発明して顕微鏡の利用法を飛躍的に拡大し、組織学の発展にも貢献した。
同姓同名の息子(1863―1934)はバーゼル、ゲッティンゲン、ベルリンの各大学で内科学の教授を歴任、心臓の刺激伝導系の発見で知られる。房室束はヒス束ともよばれる。
[澤野啓一]
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