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刺激伝導系 しげきでんどうけいimpulse conducting system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

刺激伝導系
しげきでんどうけい
impulse conducting system

興奮伝導系ともいう。洞結節に生じた興奮は心房から心室に伝えられて,心筋の電気的興奮が起るが,この心房と心室の興奮伝導の役目を果している特殊な筋線維束刺激伝導系という。すなわち,洞房結節房室結節房室束 (ヒス束) ,プルキニエ線維の総称である。興奮はこの順序で伝わっていく。

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デジタル大辞泉の解説

しげき‐でんどうけい〔‐デンダウケイ〕【刺激伝導系】

心臓の収縮運動をつかさどる、特殊な心筋群からなる連絡路。右心房にある洞結節(どうけっせつ)で発生した刺激が心房・心室間の壁を通って心室に伝えられ、順序よく収縮して血液が送り出される。興奮伝導系。

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百科事典マイペディアの解説

刺激伝導系【しげきでんどうけい】

心臓刺激伝導系

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栄養・生化学辞典の解説

刺激伝導系

 刺激を伝達する体系

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世界大百科事典 第2版の解説

しげきでんどうけい【刺激伝導系 conduction system】

心臓の拍動の引金となる刺激を生成し,その刺激を伝導する,心臓内壁にある特殊な筋繊維系。心臓は他の臓器と異なり,みずからの律動性によって絶え間なく,しかも順序よく(心房から心室へ)収縮と弛緩を繰り返し,血液循環を行っている。この律動の規則性は,右心房内大静脈開口部に存在するわずか1.5mm×0.5mmの心筋細胞の塊(洞房結節または洞結節という)の反復興奮のリズムにより調律されている。このように洞房結節は心臓の収縮,弛緩のリズム全体を決定しているので,歩調とりまたはペースメーカーpacemakerといわれる。

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大辞林 第三版の解説

しげきでんどうけい【刺激伝導系】

心臓の内壁に存在し、心臓の機械的な収縮を引き起こすための電気的な刺激を発生、伝導する特殊な心筋細胞の系。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

刺激伝導系
しげきでんどうけい

心臓の収縮運動をつかさどる特殊な心筋細胞(心筋線維)系をいう。この伝導系の心筋細胞群は、収縮という機能に関しては普通の心筋細胞と同じであるが、刺激伝達だけに働くというのが特徴である。刺激伝導系は四つの構造、すなわち洞房結節、房室結節、房室束、プルキンエ線維から構成されている。洞房結節はキース‐フラック結節(生理学者A. KeithとM. Flackの名にちなむ)、あるいはペースメーカーともよばれ、長さ2.5センチメートル、幅0.2センチメートルの小組織塊である。この結節は右心房の壁の上大静脈の開口近くに存在し、多数の心筋細胞が集まって網状構造をつくっている。これらの細胞は本来、固有の収縮リズムをもっているため、脳や脊髄(せきずい)からの神経伝達による刺激は必要としない。つまり、結節の筋細胞自身で規則的な収縮刺激を生じ、その興奮刺激は両側の心房の筋層の至る所に伝わるわけである。この結節の興奮が心臓拍動の始まりとなるために、ペースメーカー、あるいは「歩調とり」とよばれるわけである。洞房結節によって心房筋が収縮すると、その刺激は房室結節へ進む。房室結節は田原結節〔田原淳(1873―1955)九州大学生理学教授の名にちなむ〕ともよばれ、やはり特殊な心筋細胞の小塊である。房室結節は洞房結節よりも太く、右心房の後壁で冠状静脈洞の開口のすぐ上に存在する。房室結節の興奮刺激は房室束を通って急速に心室に進む。この房室束はヒス束(内科学者W. Hisの名にちなむ)ともよばれ、房室結節からおこり、心室中隔の膜性部の後下縁に沿って約1~2センチメートル走り、心室中隔筋性部の上端で右脚と左脚とに分かれる。右脚と左脚とはそれぞれ中隔の中で右室と左室の内面の心内膜直下を心尖(しんせん)に向かって下降する。両脚は乳頭筋の底部に到達し、それぞれ右室と左室の筋層や乳頭筋に分布する。房室束の分枝をプルキンエ線維(生理学者J. E. Purkinjeにちなむ)とよんでいる。心房筋層と心室筋層とは線維輪を境にして完全に連絡を絶たれているが、この伝導系だけが心房筋と心室筋との間を連ねている。この特殊細胞は一般の心筋細胞よりも太く、筋細胞形質にも富み、筋細線維が少ないのが特徴である。刺激伝導系ではどの部分からでも興奮がおこりうるが、洞房結節の興奮頻度がもっとも大きいため、一般には前述したように洞房結節をペースメーカーとして心臓機能が発揮されている。なお、房室束が遮断されると、心房と心室の収縮秩序が乱されて、それぞれがばらばらに収縮する状態となる。この状態を房室ブロックという。[嶋井和世]

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