ビゼルト(読み)びぜると(英語表記)Bizerte

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビゼルト」の意味・わかりやすい解説

ビゼルト
びぜると
Bizerte

北アフリカ、チュニジア北端にある港湾都市。首都チュニスの北65キロメートルに位置する。人口9万8900(1994)。シチリア海峡に面し地中海中央部の航路を扼(やく)する位置にあることから、古代より農産物の積出し港、漁港であるとともに海賊海軍の基地でもあった。フランス植民地時代にビゼルト湖の地中海への出口の水路北岸に近代的な埠頭(ふとう)が建設され、ヨーロッパ風市街地もつくられた。フランス海軍基地も置かれたが、1963年返還された。独立後、工業化が図られ、セメント石油精製造船などの工場があり、湖の奥のメンゼル・ブルギバには製鉄所がある。アフリカ大陸最北端の地で美しい海岸があり観光地でもある。

[藤井宏志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビゼルト」の意味・わかりやすい解説

ビゼルト
Bizerte

チュニジア最北端,地中海のシチリア海峡にのぞむ港湾都市。ビゼルト県の県都。アフリカ大陸北端の都市。ビゼルト湖と海を結ぶ運河河口に位置する。古代にはフェニキアカルタゴローマの植民都市で,中世には漁村であったが,16世紀にスペインからの亡命イスラム教徒を迎えて拡大された。 1881年にフランス保護領となったが,ビゼルト湖からの運河の建設により,急速に発展。海軍基地もおかれた。現在は重要な港湾都市であり,商業の中心地である。魚類リン鉱石穀物の輸出が主で,港を中心に精油,金属,食品などの工業が発達。人口8万 4368 (1989推計) 。

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