ビーグル号航海記(読み)ビーグルゴウコウカイキ

デジタル大辞泉 「ビーグル号航海記」の意味・読み・例文・類語

ビーグルごうこうかいき〔‐ガウカウカイキ〕【ビーグル号航海記】

原題Journal of Researches into the Natural History and Geology of the Countries Visited during the Voyage of H.M.S. Beagle round the World博物誌ダーウィン著。1839年刊。31~36年に博物学者として英海軍の測量艦ビーグル号に乗船し、南アメリカ・ガラパゴス諸島・南太平洋諸島・オーストラリアなどを周航したときの、各地動植物地質などの調査記録日記の形で記述したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「ビーグル号航海記」の意味・読み・例文・類語

ビーグルごうこうかいき‥ガウカウカイキ【ビーグル号航海記】

  1. ( 原題[英語] Journal of Researches into the Natural History and Geology of the Countries Visited during the Voyage of H.M.S. Beagle round the World ) 博物誌。ダーウィン著。一八四五年刊。三一年から三六年の間イギリスの軍艦ビーグル号に便乗して世界一周の航海に出た際に観察した、生物、各地の自然、諸民族の習俗などの記録。後年の彼の進化論基礎となった事実も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーグル号航海記」の意味・わかりやすい解説

ビーグル号航海記
びーぐるごうこうかいき

進化論を確立したC・ダーウィンの著作。1839年ビーグル号艦長フィッツ・ロイRobert Fits-Roy(1805―1865)の著作の一部として出版され、1845年にダーウィンの部分のみが単行本として刊行された。正式書名は『Journal of Researches into the Natural History and Geology of the Countries Visited During the Voyage of H. M. S. Beagle』。ビーグル号はイギリス海軍の測量艦で、10門の砲を備えた木造帆船である。1831年暮れにプリマス出港、5年後の1836年10月に帰港するまで、南アメリカ沿岸、太平洋諸島ニュージーランド、オーストラリアを周航した。ダーウィンはこの航海の間に各地の動植物や地質を観察、調査し、標本を収集した。航海記はそれらのことを日記の形式で克明に記述しており、全体が21章からなり、第17章にはガラパゴス諸島があてられている。

[宇佐美正一郎]

『島地威雄訳『ビーグル号航海記』(岩波文庫)』

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百科事典マイペディア 「ビーグル号航海記」の意味・わかりやすい解説

ビーグル号航海記【ビーグルごうこうかいき】

C.ダーウィンの著書。1839年刊。1831年―1836年に英国の軍艦ビーグル号に便乗し,南アメリカ大陸南太平洋などを巡って,自然観察や採集を行った時の記録。この見聞,特にガラパゴス諸島における生物相の変異が彼の進化論の基礎となった。
→関連項目ガラパゴス[諸島]ダーウィン

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世界大百科事典(旧版)内のビーグル号航海記の言及

【ガラパゴス[諸島]】より

…1835年,C.ダーウィンがビーグル号でこの島を訪れ観察を行った。その成果は《ビーグル号航海記》や《種の起原》にとり入れられたため,この島は一躍有名となった。【野上 道男】
[生物の由来と特徴]
 同類や近縁種の地球上での分布を調べると,海洋島の生物相の由来が明らかとなる。…

【ダーウィン】より

…卒業後,海軍の測量船ビーグル号に無給の博物学者として乗船(1831‐36)し,C.ライエルの《地質学原理》を学びながら南半球各地の地質,動植物を観察した。《ビーグル号航海記》(1839),地質学的業績である《サンゴ礁の構造と分布》(1842)は,この航海の調査に基づく。 航海中に訪れた南アメリカ大陸の種々の化石や現生の動物,ガラパゴス諸島の動植物の観察などから生物進化を強く印象づけられた。…

※「ビーグル号航海記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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