ファイアーウォール(読み)ふぁいあーうぉーる(その他表記)fire wall

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファイアーウォール」の意味・わかりやすい解説

ファイアーウォール
ふぁいあーうぉーる
fire wall

インターネットに接続されたLAN(ラン)やパソコンと、インターネットの間に設けるセキュリティ対策のためのシステム。英語で防火壁を意味する。ソフトウェア主流だが、専用のハードウェアを使うものもある。個人のパソコンや、社内LANなどの安全なローカルネットワークにインターネットを接続すると、外部からの侵入によって、データ流出改竄(かいざん)、破壊などをまねくおそれがある。ファイアーウォールは、このような被害を防ぐための仕組みで、外部との接点を監視する。もし不正なアクセスがあった場合には通信を遮断する。

 具体的には、攻撃や侵入を行う恐れのあるサイト及びその構成要素を指定して(セキュリティレベルの設定)、ファイアーウォールの内側機器からのアクセスを制限する形を取る。この指定レベルが厳しすぎると、個別に許可したもの以外へのアクセスの拒否警告のメッセージの表示を繰り返すなど、通常のインターネット使用にも支障をきたすことが多くなる。逆に設定が低すぎると安全性が低下する。また、その性質上、未知コンピュータウイルスの侵入などは防ぎきれないため、他のウイルス対策ソフトと併用することが不可欠である。なお、XP以降のWindowsMac OS Xなどには、OSの標準機能としてもファイアーウォールが搭載されている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファイアーウォール」の意味・わかりやすい解説

ファイアーウォール[コンピュータ]
firewall

コンピュータセキュリティのシステムの一つ。コンピュータまたはネットワークからのデータの出入りを管理する。LANのような特定利用者のためのネットワークにおいて,第三者がインターネットなどを通じて侵入し,データや機器に不正にアクセスすることを防ぐことをおもな目的とし,また LANの内部から外部のコンピュータに直接アクセスすることも規制する。こうした機能を実現するため,すべての通信はプロキシサーバと呼ばれるサーバを経由させられ,ここで認められたものだけが LAN内外にアクセスできる。

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知恵蔵 「ファイアーウォール」の解説

ファイアーウオール

LANが外部のネットワークと接続される部分に配置されるセキュリティー機器。専用プログラムを実行したコンピューターをファイアーウオールとして利用することもある。通信を監視し、外部からの不正侵入と内部からの許可されていない通信とを遮断する機能を持つ。中世に都市部で延焼を防ぐために設置された防火壁が語源。また、個々のパソコンにインストールして通信を監視するタイプのものを「パーソナル・ファイアーウオール」と呼ぶ。

(斎藤幾郎 ライター / 西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「ファイアーウォール」の解説

ファイアーウォール

スウェーデンの作家ヘニング・マンケルの警察小説(1998)。原題《Brandvägg》。「クルト・ヴァランダー警部」シリーズの第8作。

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