改訂新版 世界大百科事典 「フィットニア」の意味・わかりやすい解説
フィットニア
Fittonia verschaffeltii Coem.
キツネノマゴ科の常緑多年草。茎は匍匐(ほふく)性で,長卵形葉を対生する。葉脈にそって赤色あるいは白色の網状斑があるので,アミメグサの名がある。赤色葉脈が美しいベニアミメグサvar.verschaffeltiiは葉が暗緑色である。温度,湿度,肥料など栽培条件によっても葉の色は変化するが,さらに葉の光沢が強く,葉脈も濃色となる品種がある。シロアミメグサvar.argyroneura Nichols.の葉は濃緑色に白色葉脈が網目状に入る。ベニアミメグサよりも葉は小さく,節間も短くつまり,よく分枝して密生する。ブルケリvar.burcheliの葉はさらに小さく,長さ2~3cmで,白色葉脈が同様に入る。節間も短く,分枝は多いが,生育は遅く,矮性(わいせい)種である。どれも多湿を好み,冬も12℃以上が望ましい。つり鉢,テラリウム,ミニ観葉として楽しめる。横にはった茎は節部でよく発根するので,挿木,株分けでふやすことができる。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報