オーブン(読み)おーぶん(その他表記)oven

翻訳|oven

デジタル大辞泉 「オーブン」の意味・読み・例文・類語

オーブン(oven)

天火てんぴのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「オーブン」の意味・読み・例文・類語

オーブン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] oven ) =てんぴ(天火)〔西洋家作雛形(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーブン」の意味・わかりやすい解説

オーブン
おーぶん
oven

食品を蒸し焼きにするための調理器具。天火ともいう。一般に箱形で、熱せられた空気と食品から発生する水蒸気を器内に閉じ込め、100℃以上に加熱して調理を行う。したがって直火(じかび)焼きのように食品が強い熱で焦げたり、強い収縮で固くなったりすることもなく、口あたりや風味のよい料理がつくりやすい。

 オーブンの原理は非常に古く、1万年以上前から知られていたようで、古くは土に掘った穴の中で十分に火を燃やしたあと、動物などの獲物を入れ、その上から焼いた小石や土をかけて蒸し焼きを行っていた。のちに土でつくったかまど形オーブンやれんが積みオーブンへと発展するが、金属が使えるようになって、現在のような小形のオーブンがつくられるようになった。すでにローマ時代にパンが焼かれていることから、この時代にかまど形オーブンが用いられていたことが想像できる。

河野友美・大滝 緑]

種類

加熱方式が、ガスのものと電気のものに大別できる。ガス式は、下部より加熱して上部からも熱気を出す形式であるが、電気式は上下ヒーターが配置されている。ガス、電気とも、熱気をファンで送り込むもの、電子レンジと組み合わせたもの、水蒸気を送り込めるものもある。そのほか、自動温度調節、自動調理、イースト発酵装置、赤外線による焦げ目ヒーターなど多くの機能をもったものがつくられている。なお、日本ではこんろの上にのせる箱型の上置式天火が明治時代からあったが、器内温度にむらがあり、保温力の点でもオーブンとしての性能は劣っていた。

[河野友美・大滝 緑]

使用上の注意

オーブンは、大量の熱エネルギーを器内に平均に分布させて加熱するのが特徴なので、あらかじめ器具を十分に熱して扉の開閉を必要最低限にとどめ、器内の温度を下げないようにすることがたいせつである。なおプディングのような低温加熱の調理では、天板に水を張って使用する。

[河野友美・大滝 緑]

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改訂新版 世界大百科事典 「オーブン」の意味・わかりやすい解説

オーブン
oven

かまどのこと。一般には箱型の加熱調理器具で,天火ともいう。加熱された壁面放射熱高温の空気の対流で食品を蒸焼きにする。土の中に食物を埋め込み,上で火をたいて蒸焼きにする方法は古くから行われていたが,本格的にはパンを焼く道具として発達した。蒸焼きは直火焼きに比べ熱の当りがやわらかく,内部まで十分に加熱され,しかもこうばしく焦げ色がつく。日本ではこんろの上にのせて使う上置式が明治時代からあったが,ガスバーナーつきの単独オーブンが国産されたのは1916年ごろである。第2次大戦後パン焼器として電気オーブンが発売されたが普及せず,一般家庭ではガス台にかける上置式が主流だった。その後,家庭電化製品の高性能化が進み,電子レンジと組み合わされた複合機能のものが出た。オーブン全体としては,43.9%(1979年全国消費実態調査)の普及率である。用途としてはパン焼きをはじめローストものやグラタン,なべごと入れて煮込料理,天板に湯をはって蒸料理にも使える。内部温度は約100~250℃で,料理によって適温を選ぶ。
(かまど)
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーブン」の意味・わかりやすい解説

オーブン
oven

天火 (てんぴ) ともいい,食品を上下左右から加熱する密閉型装置。パンやケーキのほか,魚,肉などを焼くのに用いる。多くは電気,ガスなどの熱源を内蔵している。電気の場合はニクロム線が上下に配置されており,料理の種類によって温度が変えられるものもある。ガスの場合は,下方に熱源があるが,熱を上方にも導いて上下から焼く。また,電子レンジと呼ばれる電子オーブンも普及してきた。これは 2450MHzの超短波で食品を照射すると,食品内部の水分がこのエネルギーを吸収して摩擦熱を起し,食品そのものが発熱するもの。ただしこの場合は 100℃以上にならないので,焦げ色のつかない欠点がある。生食品の加熱調理,冷凍食品の解凍再加熱などに適している。また焦げ色をつけるための改良型の電子オーブンレンジも出回っている。

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百科事典マイペディア 「オーブン」の意味・わかりやすい解説

オーブン

天火(てんぴ)とも。密閉して上下左右から熱を送り材料を熱する料理器具。均一に加熱でき,グラタンやロースト料理,菓子類などをつくるのに使用。パンを焼く道具として発達し,日本では1916年ごろガスバーナーつきのオーブンが作られた。その後ガスオーブン,電気オーブンともに進歩し,現在では電子レンジと組み合わせたものもある。
→関連項目ガスレンジ

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栄養・生化学辞典 「オーブン」の解説

オーブン

 調理釜.通常数十cmの鉄板の箱で,内部を電気やガスで加熱し一定の温度に保ちやすいようにしてある.ローストビーフを作ったり,ケーキ,クッキーの製作にも用いる.

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食器・調理器具がわかる辞典 「オーブン」の解説

オーブン【oven】

断熱した箱形の庫内に食材を密閉し、蒸し焼きにする調理機器。熱源には電気とガスがある。◇「天火(てんぴ)」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内のオーブンの言及

【料理】より

…農業の主力となった主食作物の穀類,いも類は,すべて加熱してβ‐デンプンをα‐デンプン化して食べやすくする料理法が必要なものである。主食の料理法の地方的差異は多いが,巨視的にいえば,麦・雑穀地帯では粉食が発達し,ヨーロッパ,北アフリカから西アジアにかけては,オーブンを使用してパンに加工することが特徴的である。稲作地帯では粒食で煮たり,蒸したりして料理をする。…

※「オーブン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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