ブギス族(読み)ブギスぞく(英語表記)Bugis; Buginese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブギス族」の意味・わかりやすい解説

ブギス族
ブギスぞく
Bugis; Buginese

インドネシアのスラウェシ島南部の住民。人口約 330万と推定される。オーストロネシア語族に属する言語を話し,マカッサル族と同形の文字をもつ。オランダ統治以前は,この地域はいくつもの小王国が支配しており,ブギス族のなかではボニ王国が勢力をもち,マカッサル族のゴワ王国と長い間争っていた。一方,マカッサル族とともに数世紀間,活発に交易と海賊を行なっていた。 1667年にマカッサル市がオランダに降伏して,ブギス族はマレー諸島の諸地域に移民した。宗教は 17世紀初めに入ったイスラム教に大部分が改宗しているが,それ以前からの祖先崇拝もある。集落は 10~200軒の家屋の集りで,村民の大多数は1つの親族集団から成り,集団の長が集落の長となる。かつては貴族,平民,奴隷の別があった。生業稲作を中心とする農業で,海岸では漁業を営む。古くから航海術にすぐれ,フィリピン,全インドネシアで交易した。婚姻いとこ婚が普通で,両親が決め,婚資を必要とする。

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