ブッシュバック
bushbuck
Tragelaphus scriptus
偶蹄目ウシ科の哺乳類。水辺近くのやぶや茂みに好んですむアフリカ産の中型のアンテロープ。体色は雄は暗褐色から黒色で,白の斑紋があり,雌は赤みを帯びた茶色。雄には長さ35~64cmの角がある。サハラ以南のアフリカの平地から海抜4000mくらいまでに分布。体長105~150cm,肩高65~110cm,尾長20~28cm,体重50kg前後。絡みあったつる植物の間を巧みにぬって進むことができる。泳ぎもうまく,しばしば水に入り,小さな島にすみついているものもある。草食性で,木や灌木の葉や小枝,草などを食べる。母子を除いて単独性の傾向が強く,したがって発情期に雌の周囲に集まった雄の間には激しい闘争が生ずる。妊娠期間は6ヵ月。1産1子。子は生後数週間の間,母親が授乳に訪れるとき以外は茂みの中にじっと動かずに伏せて過ごす。1年で性的に成熟する。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ブッシュバック
ぶっしゅばっく
bushbuck
[学] Tragelaphus scriptus
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。サハラ砂漠以南のアフリカの大部分に分布し、深い低木林の茂みに好んで生息する。肩高65~100センチメートル、体重32~77キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ18センチメートルほど。体色は性、年齢、産地などで著しく異なる。単独か、つがい、あるいは小さな家族群で生活し、木の葉を主食とする。夜行性で日中は茂みで過ごし、夕刻から茂みを出て水場へ出かける。出産期は10~11月が多く、妊娠期間は約8か月で、1産1子である。子には周囲の茂みに紛れやすい斑紋(はんもん)がある。
[今泉忠明]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブッシュバック
学名:Tragelaphus scriptus
種名 / ブッシュバック
科名 / ウシ科
解説 / 胴に白いしまと斑点があります。オスの角はらせんにまいてななめにのびます。単独で生活します。
体長 / 1.1~1.5m/肩高60~96cm
体重 / 24~77kg
食物 / 木の葉、枝、草
分布 / アフリカ中央部から南部の水辺に近い森林
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
世界大百科事典(旧版)内のブッシュバックの言及
【レイヨウ(羚羊)】より
…体は黄褐色のものが多く,ふつう目の間,頰,のど,前胸,ひづめの上方に白斑があり,胴に白色の横縞がある。森林ややぶにすむ[ブッシュバック]Tragelaphus scriptus,体重の割りに身軽にジャンプする[イランド]T.(Taurotragus) oryx,インドの平原にすむ[ニルガイ]Boselaphus tragocamelus,雄には角が4本もある[ヨツヅノレイヨウ]Tetracerus quadricornisなど3属11種がある。(2)ハーテビースト亜科Alcelaphinae 大型で尾が長く,先端に房毛(ふさげ)がある。…
【レイヨウ(羚羊)】より
…27属84種ほどがあり,8亜科に分けることができる。(1)ブッシュバック亜科Tragelaphinae アフリカ産のものは中型~大型で,角はかなり長く渦巻状に1~2回ねじれ,前面基部に始まり,ねじれに沿って先にのびる明りょうな稜がある。体は黄褐色のものが多く,ふつう目の間,頰,のど,前胸,ひづめの上方に白斑があり,胴に白色の横縞がある。…
※「ブッシュバック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」