ばら輝石(読み)ばらきせき(英語表記)rhodonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ばら輝石」の意味・わかりやすい解説

ばら輝石
ばらきせき
rhodonite

輝石一種で、短柱状ないし稜(りょう)の鋭い板状結晶をなすほか、粒状、繊維状の鉱物。ロードン石ともいう。鉄の含有量が増すと褐色みが強くなる。パイロクスマンガン石と肉眼的に区別できないため、両者をあわせて「ばら輝石」とよぶこともある。層状マンガン鉱床中に石英、満礬(まんばん)ざくろ石、テフロ石、菱(りょう)マンガン鉱、ブラウン鉱などと産する。そのほか、熱水性鉱脈鉱床、スカルン型鉱床などの脈石として、石英、ヨハンセン輝石などと産する。美しい紅桃色をして緻密(ちみつ)なものは装飾品として利用される。英名は、バラを意味するギリシア語に由来する。

松原 聰]


ばら輝石(データノート)
ばらきせきでーたのーと

ばら輝石
 英名    rhodonite
 化学式   (Mn,Ca)5Si5O15
 少量成分  Fe2+,Mg
 結晶系   三斜
 硬度    5.5~6.5
 比重    3.6~3.8
 色     桃,褐橙,赤
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目参照

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ばら輝石」の意味・わかりやすい解説

バラ輝石
バラきせき
rhodonite

ロードナイトともいう。 MnSiO3三斜晶系の鉱物。比重 3.56~3.70,硬度 5.5~6.5。桃色,鮮紅色,帯褐赤色などのマンガンケイ酸塩鉱物。接触変成作用を受けたマンガン鉱床に普遍的に産する。美しいものは宝石になる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ばら輝石」の意味・わかりやすい解説

バラ(薔薇)輝石 (ばらきせき)

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世界大百科事典(旧版)内のばら輝石の言及

【ロードナイト】より

…化学組成(Mn,Fe2+,Ca)SiO3の鉱物。バラ輝石ともいう。三斜晶系に属し,比重3.57~3.76,モース硬度5.5~6.5,へき開は{110},{10}に完全。…

※「ばら輝石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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