ブリッカー(英語表記)Steen Steensen Blicher

改訂新版 世界大百科事典 「ブリッカー」の意味・わかりやすい解説

ブリッカー
Steen Steensen Blicher
生没年:1782-1848

デンマーク作家牧師の家に生まれ,自らも牧師を務める。ユトランドの片田舎で貧しく暮らし,家庭的にも不幸であった。母の狂気が彼の作品にメランコリーな雰囲気を与える。前半は詩を中心に,後半散文を主としたが,新しいジャンル--日常生活を描く絵画的な小品--を開く。共通語では表現しきれないユトランドの思い出,言い伝えなどを方言を用いてリアルに写し出すことに優れ,その代表作は《教会書記の日記》(1824)である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブリッカー」の意味・わかりやすい解説

ブリッカー
Blicher, Steen Steensen

[生]1782.10.11. ビウム
[没]1848.3.26. スベントルーブ
デンマークのロマン派詩人,小説家。ユランで牧師をしながら荒野を歩き回って貧農たちから取材した短編小説を書き,デンマーク小説の祖となった。代表作『詩集』 Digte (1814) ,短編『村の牧師の日記の断片』 En Landsdydegns Dagbog (24) ,『泥棒巣窟』Røverstuen (27) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリッカー」の意味・わかりやすい解説

ブリッカー
ぶりっかー
Steen Steensen Blicher
(1782―1848)

デンマークの小説家。下級牧師として好んでユトランドの沼地や荒野を巡回農民や労働者と親しく交わり熱情的な詩や劇を書く。40歳を過ぎて小説に転じ、代表作『村の牧師補の日記』(1824)などでデンマーク散文小説の先駆者となる。下層にあえぐ人々に寄せる悲傷哀感の筆致は今日も愛読者が絶えない。

[山室 静]

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