改訂新版 世界大百科事典 「ブルガン油田」の意味・わかりやすい解説
ブルガン油田 (ブルガンゆでん)
Burgan
クウェートにある油田で,中心部はクウェート市の南方約50kmに位置する。ブルガン,アフマディーAhmadī,マグワMagwaの三つのブロックから成るドーム構造で,大ブルガン油田と総称する。1937年ブルガン地区におけるクウェート石油会社(KOC。当時ガルフ・オイル社とブリティッシュ・ペトロリアム社の折半出資会社)の試掘井によって石油が発見され,51年マグワ地区,52年にアフマディー地区の試掘井が成功した。可採埋蔵量は600億~750億バレルと推定され,サウジアラビアのガワール油田に次ぐ世界第2位の油田である。主要油層は中部白亜系に属するきわめて良質な砂岩で,深度は1000~1500mにすぎない。水押しが強力で高い回収率が期待されている。油質は比重31.4°API,硫黄分3.2%である。
執筆者:加藤 正和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報