プティジャン(その他表記)Bernard Thadée Petitjean

デジタル大辞泉 「プティジャン」の意味・読み・例文・類語

プティジャン(Bernard Thadée Petitjean)

[1829~1882]フランス宣教師。文久3年(1863)来日長崎大浦天主堂建立。慶応2年(1866)から日本司教となり各地布教、宗教書籍の刊行尽力。長崎で没した。

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改訂新版 世界大百科事典 「プティジャン」の意味・わかりやすい解説

プティジャン
Bernard Thadée Petitjean
生没年:1829-84

フランス人宣教師。パリ外国宣教会神父として1863年(文久3)長崎に上陸し,すでに大浦天主堂の建設に着手していたフュレLouis-Théodore Furet(1816-1900)神父と協力して65年2月19日その献堂式を挙行,同年3月17日には天主堂の聖母像の前で浦上の〈隠れキリシタン〉を発見し,劇的なキリシタン復活が起こった。この後,長崎,五島地方で数多くの信者が発見され,プティジャンはその指導に専念する。66年教皇代理,司教となって日本における教会の再建に本格的に取り組んだが,翌年には激しい迫害に直面する。彼は再度にわたってローマに赴き,種々の外交ルートを通じて迫害の終結に尽力するとともに,信者を援助,激励した。73年禁令廃止後は,神学校の開設,宣教師の招来,教会の組織整備などにつとめたが,特にみずから各地の図書館で探りあてた《どちりなきりしたん》など,数十のキリシタン書をあらたに出版して布教に役立てた。これらは〈プティジャン版〉と呼ばれ,キリシタン文献として重要な位置を占めている。
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百科事典マイペディア 「プティジャン」の意味・わかりやすい解説

プティジャン

フランス人宣教師。パリ外国宣教会士。1860年那覇に渡来し,1863年長崎に上陸。大浦天主堂建設に尽力し,1865年献堂式を挙行,同年潜伏キリシタンの浦上信徒を発見した(キリシタンの復活)。翌年司教となり,浦上四番崩れ(潜伏キリシタン露顕事件),浦上信徒配流問題の解決に努めた。1873年の禁令廃止後は神学校の開設,宣教師の招来など布教の整備に奔走した。この間《どちりなきりしたん》などのキリシタン版を数十種探りあて,新たに出版した。プティジャン版といわれ,キリシタン文献として貴重。長崎で没した。
→関連項目浦上崩れ

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朝日日本歴史人物事典 「プティジャン」の解説

プティジャン

没年:明治17.10.7(1884)
生年:1829.6.14
幕末に来日したパリ外国宣教会(カトリック)宣教師。フランス・オータン神学校卒。万延1(1860)年那覇着。文久2(1862)年横浜に上陸,翌年長崎に移り大浦天主堂建築に尽力。慶応1(1865)年,250年ぶりに潜伏キリスト教信徒を発見する。教会用語問題で横浜漢訳版に反対し,復帰信徒の伝統保存を主張,キリシタン用語版を長崎で刊行,これらはプティジャン版と呼ばれている。「浦上四番崩れ」で迫害されている信徒救出に奔走した。慶応2年日本教皇代理,名義司教などを務める。日本カトリック再布教の先駆者。長崎で永眠,大浦天主堂に埋葬された。『プチジャン司教書簡集』がある。<参考文献>江口源一『キリシタン復活の父,プティジャン司教』

(大江満)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プティジャン」の意味・わかりやすい解説

プティジャン
Petitjean, Bernard Thadée

[生]1829.6.14. ブランジー
[没]1884.10.7. 長崎
日本で活躍したフランスの宣教師。 1852年司祭,59年パリ外国宣教会入会。文久3 (1863) 年長崎に上陸。元治2 (65) 年大浦天主堂完成とともに旧信徒 (隠れキリシタンの末裔) を発見。翌年日本の教皇代理,司教となった。同3年浦上四番崩れが起り,ローマにおもむいた。明治2 (69) 年バチカン公会議に出席。その間に浦上の全信徒が流罪に付され,同3年再来日してその釈放に尽力。 1876年ローマに渡って日本教区の分割を申請し,認められて翌年帰任。大阪に司教座を定め,長崎に定住。多くの宗教書を刊行。

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