ヘルフェリヒ(読み)へるふぇりひ(英語表記)Karl Helfferich

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘルフェリヒ」の意味・わかりやすい解説

ヘルフェリヒ
へるふぇりひ
Karl Helfferich
(1872―1924)

ドイツ財政家、政治家。ベルリン大学経済学講師を務めたのち、官界転出。1908年アナトリア鉄道会社理事、同年ドイツ銀行理事となって、バグダード鉄道などドイツの海外進出事業を推進した。第一次世界大戦中の1915年、第二帝国財務相に招かれ、公債による戦費調達を続けて、戦後インフレの原因をつくった。1916年に内相、副首相をも兼任したが、1917年11月辞任。戦後は、ワイマール共和国を批判する立場から、政界で活動。ドイツ国家人民党国会議員として、財務相エルツベルガーを攻撃して失脚させ、反共和派の台頭を促した。1923年のインフレでは、レンテンマルク成立の素地をなす提言を行ったが、1924年鉄道事故で死亡した。

[木村靖二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルフェリヒ」の意味・わかりやすい解説

ヘルフェリヒ
Helfferich, Karl

[生]1872.7.22. ファルツノイシュタット
[没]1924.4.3. ベリンツォーナ
ドイツの政治家,資本家。 1901年ベルリン大学教授の資格で外務省の植民地局に入り,08年ドイツ銀行総裁。 13年バルカン問題に関するパリ会談のドイツ代表。金融・通貨問題の最高権威の一人として,15年蔵相となり,ドイツの勝利を前提とした戦時公債によって戦費をまかなう財政政策を推進。 16年内相,18年モスクワ駐在大使。第1次世界大戦後はドイツ国家人民党の指導者として M.エルツベルガーや W.ラーテナウの条約完全履行政策に反対し,一方ではドイツ貿易,工業の再編に努力した。 23年のレンテンマルクの創案者。

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