デジタル大辞泉 「べからず」の意味・読み・例文・類語
べから◦ず
1 (文末に用いて)禁止を表す。…してはいけない。…するな。「展示品に手を触れる―◦ず」
「乙若殿も泣く―◦ず。我も泣くまじきなり」〈平治・下〉
2 (「ざるべからず」の形で)指示や命令を強調する意を表す。…せよ。「人の危難を見ては救助せざる―◦ず」
3 不可能を表す。…できない。「許す―◦ざる行為」
「羽なければ、空をも飛ぶ―◦ず」〈方丈記〉
4 当然の意の打消しを表す。…するはずがない。
「珍しからぬ事のままに心得たらん、よろづ違ふ―◦ず」〈徒然・七三〉
[補説]「べからず」は、平安時代では多く漢文訓読に使われた。現代では、やや改まった場合や文章語表現に用いられ、3は「べからざる」の形をとることが多い。動詞・助動詞に接続するとき、文語活用の終止形に付くこともある。