精選版 日本国語大辞典「べた」の解説
べた
[1] 〘形動〙 すきまのないさま。一面に広がっているさま。また、すっかりその状態になっているさま。びっしり。
※洒落本・深川手習草紙(1785)中「わっちゃあんまりべたで恥しいが、いっそぬしにどうかしたよ」
※もはや「戦後」ではない(1956)〈中野好夫〉「どうした心理か、ベタ満足している一部日本人階層は論外として」
[3] 〘名〙
① 「べたやき(━焼)」の略。
② 「べたぐみ(━組)」の略。
※社会観察万年筆(1914)〈松崎天民〉現代の女学生「六号ベタ二十字詰二十九行三段一頁のが八頁もあり」
③ 印刷物で、ある部分のすべてがインキで覆われている状態をいう。網点印刷では、網点面積が一〇〇%のこと。また転じて、印刷用の絵などで、ある部分を黒く塗りつぶすこと。「ベタを入れる」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報