翻訳|Veracruz
メキシコ湾岸にあるメキシコ第1の国際港湾都市。大都市域人口65万6100(2003)。正式名称ベラクルス・ヤベ。港は6埠頭からなり,水深9~8m。アメリカ合衆国西側の主要港と結ぶ大西洋航路,ヨーロッパ航路,パナマ運河経由の太平洋航路,メキシコ湾航路の基点で,主要産品の輸出入港である。1519年,H.コルテスがここに上陸し,メキシコ最初の植民都市ビヤ・リカ・デ・ラ・ベラクルス(〈真実の十字架の富める町〉の意)を建設した。健康に不向きな土地にもかかわらず,植民地時代はポルト・ベリョ,カルタヘナと並んで新大陸とスペイン間の通商の表玄関として繁栄。サンタ・アナの1822年共和制宣言,B.フアレスによる1857年憲法発布,V.カランサによる1917年憲法発布がこの地でなされ,1838年のフランス軍や1847年および1914年のアメリカ軍による侵略などこの国の歴史を物語る。港にある16世紀建造の史跡サン・フアン・デ・ウルア要塞,中央広場,2月のカーニバル,新鮮な魚介類などが観光客をひきつけている。ベラクルス州の湾岸平野はサトウキビ(同国第1位),米,トウモロコシ,牧草を産する主要な農牧業地域を形成。20世紀初めの油田発見後は石油関連産業が発達し,ミナティトラン,ポサ・リカには最大規模の精油所が立地している。
執筆者:栗原 尚子
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メキシコのメキシコ湾岸、ベラクルス州にある港湾都市。正称はベラクルス・ヤベ。人口41万1582(2000)。同国最大の貿易港であり、造船業や石油工業も発達している。1519年にH・コルテスが建設し、アステカの都への侵略基地となった。16~17世紀にはスペイン植民地下の特許港として、コロンビアのカルタヘナ、パナマのポルトベリョと並び繁栄した。独立時の共和制宣言やその後の憲法発布はここで行われた。1838年にはフランス軍の、1847年と1914年にはアメリカ軍の侵入を受けた。海水浴場のモカンボ、保養地のカテマコ湖、アルマス広場やウルア要塞(ようさい)の名所、メキシコ一のカーニバル、近海の新鮮な魚貝類などが観光客をひきつける。
[高木秀樹]
メキシコ東岸の主要国際港。1519年征服者のスペイン人によって建設され,スペイン植民地時代から現代に至るまで,ヨーロッパへの窓口として重要な役割を演じている。フランス(1838年),アメリカ(1847年,1914年)に軍事占領されたこともある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…人口43万8821(1991)。正式名称ベラクルス・ヤベ。港は6埠頭からなり,水深9~8m。…
※「ベラクルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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