メキシコ中央部,同名州の州都。大都市域人口201万6956(2003)。マリンチェ火山(4461m)南西麓に広がるプエブラ河谷平野,標高2209mに位置する。年平均気温17.1℃,年降水量823mm。メキシコ市とベラクルス市とを結ぶ要衝の地で,1531年にフランシスコ会宣教団によって建設された。植民地時代を通じて経済,宗教の中心地で,付近のチョルラとは対照的にスペイン風の町となった。1862年5月5日,同市を占領したフランス軍を破ったサラゴサ将軍を記念し,旧名プエブラ・デ・アンヘル(〈天使の町〉の意)からプエブラ・デ・サラゴサに正式名称を改名。そしてこの日は国民祝祭日となっている。19世紀後半に主要な繊維工業地域として発展。繊維,食品加工業のほか,近年は近郊に工場団地が造成され,機械,自動車,セメントなどの近代工業部門進出がめざましい。中央広場ソカロにある大聖堂,サント・ドミンゴ教会付属の黄金の内部装飾で知られるロザリオ礼拝堂など数多くの植民地時代の建造物に恵まれた観光都市でもある。色彩豊かなタラベラ陶器,縞メノウの置物など伝統的な工芸品を産する。
執筆者:栗原 尚子
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メキシコ中南部、プエブラ州の州都。正称はプエブラ・デ・サラゴサPuebla de Zaragoza。メキシコ市の東南東130キロメートル、メキシコ中央高原の標高2160メートルに位置する。人口127万1673(2000)で、同国第4位。西方にポポカテペトル火山(5452メートル)がそびえ、「天国の町」との美称がある。1862年5月、フランス軍を撃破した地として有名で、16世紀に建設されたカテドラル、金色の装飾で知られるロサリオ礼拝堂、民芸博物館、プエブラ大学など植民地時代の文化財が多い。この歴史地区が1987年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。繊維、食品、自動車、化学工業が立地し、特産品にはサラペ・オニス(縞(しま)めのう)の彫刻品、タラベラとよばれる陶器などがある。
[高木秀樹]
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