カランサ(読み)からんさ(英語表記)Venustiano Carranza

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カランサ」の意味・わかりやすい解説

カランサ
Carranza, Venustiano

[生]1859.12.29. コアウイラ,クアトロシエネガス
[没]1920.5.21. プエブラ,トラスカラルトンゴ
メキシコ革命の指導者。大統領 (在任 1917~20) 。大地主で革命前は州会議員,上院議員などを歴任していたが,1910年メキシコ革命に参加,13年以後「第一統領」として革命の主導権を握った。 15~16年 E.サパタ,P.ビヤらの率いる農民軍を弾圧,「1917年憲法」を制定して大統領に選ばれた。しかし保守的な政策をとったため民衆支持を失い,20年 Á.オブレゴン将軍の反乱で追われ,逃亡中暗殺された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カランサ」の意味・わかりやすい解説

カランサ
からんさ
Venustiano Carranza
(1859―1920)

メキシコ革命の指導者、メキシコ大統領(在任1917~20)。メキシコ北部コアウィラ州の大地主で、ディアス独裁期の同地方の有力な政治家であったが、1910年マデロの指導するメキシコ革命に参加した。11年革命の勝利とともにコアウィラ州知事に選ばれ、13年ウエルタ将軍の反革命クーデターによってマデロ大統領が殺されると、自ら「革命第一統領」と称して革命の指導権を握り、翌14年ウエルタ反革命政府を打倒した。14年から17年にかけてサパタとビリャの率いる農民軍を弾圧、17年新憲法発布とともに正式に大統領に選ばれた。しかし本質的には保守主義者で、新憲法に定められた諸改革を実行せず民衆の支持を失い、後継者問題も絡んで20年部下のオブレゴン将軍の反乱によって暗殺された。

野田 隆]

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