デジタル大辞泉 「カルタヘナ」の意味・読み・例文・類語
カルタヘナ(Cartagena)
コロンビア北部、カリブ海に面する港湾都市。スペイン領時代の1533年に植民の根拠地として建設。旧市街は城塞群に囲まれ、丘の上に南アメリカで最も強固とされるサンフェリペ要塞がある。1984年に「カルタヘナの港、要塞群と建造物群」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。人口、都市圏92万(2008)。
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コロンビア北部,ボリーバル県の県都。大都市域人口103万0149(2005)。カリブ海に面し,1533年アンティオキア地域の貴金属や砂糖の積出港として創設された。スペイン帝国が植民地で開設した数少ない貿易港の一つで,本国の商船隊(ガレオネス)が定期的に寄港した。その繁栄ゆえにたびたびイギリス海軍に攻撃され,なかでも1741年の都市攻撃は凄絶で,今日なお多くの城塞が当時の状況を物語っている。独立期にあっては市民がこぞって革命家ボリーバルを支援し祖国解放に貢献した。ボリーバルはこの都市を〈英雄の都市〉とたたえて,その協力に報いた。糖業,コーヒー生産が経済活動の中心をなした19世紀後半からは農産物の集散地,あるいは輸出港,また20世紀前半からは石油・綿花の積出港となり,今日では同国最大の石油化学工業都市となっている。なお1969年当地でアンデス地域統合を目ざすカルタヘナ協定が締結された。
執筆者:上谷 博
スペイン南東部,地中海沿岸の都市。人口18万4686(2001)。ムルシア県の商工業の中心地で,金属工業,造船業,石油精製所があり,また県下で採掘される鉛,鉄鋼石,ニッケルの積出港となっている。地中海沿岸で最も重要な海軍基地でもある。温暖な地中海気候に恵まれ,都市周辺ではオレンジ,ブドウ,オリーブ栽培が盛んである。カルタヘナの名は,紀元前223年同市を植民化したカルタゴ人が命名したカルタゴ・ノウァ(〈新カルタゴ〉の意)に由来。地中海交易活動の拠点であり,特にローマ時代に最も栄えたが,イスラム支配の時代にはその役割をアルメリア港に譲った。カルタヘナを再征服したキリスト教徒は,司教座をムルシアに移したため,衰退へと向かった。17世紀フェリペ2世が要塞を建設し,軍事的機能を回復する。1873年スペイン南部諸都市の連邦主義運動が高揚したとき,カルタヘナはその一大中心地であった。
執筆者:岡住 正秀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
スペイン南東部、ムルシア地方の港湾都市。人口18万4686(2001)。丘陵に囲まれた深い入り江の奥に位置する天然の良港で、古くから地中海に臨む要害の地として利用されてきた。ガリシア地方のビーゴに次ぐ軍港である。また輸出港としても重要で、周辺で産する鉄、鉛、錫(すず)、銅などの鉱石やそれらの工業製品、および農産物などを輸出する。年間約500万トンの輸出量は、アルヘシラス、ビルバオ、バルセロナに次いで第4位である。精油工場も立地する。紀元前3世紀に、スペイン地方におけるカルタゴ人のもっとも重要な植民地として建設された。ローマ時代にはカルタゴ・ノバ(新カルタゴ)とよばれ、この地方の中心都市として繁栄した。711年ムーア人に占領され、独立公国が創設された。その後何度も戦場となり、アルフォンソ13世はここからフランスに向かって亡命し、1936~39年のスペイン内戦でも、共和派の重要な海軍基地となった。
[田辺 裕・滝沢由美子]
南アメリカ北西部、コロンビア北部、カリブ海岸の港湾都市。人口87万7238(1999)、104万7005(2019推計)。マグダレナ川とカウカ川の河谷というコロンビアの経済活動の中核地域を後背地にもち、プラチナ、コーヒー、タバコ、バナナ、砂糖などの取引、輸出が盛んである。織物、皮革、薬品などの工業があり、バランカベルメハの精油所からの油送管のターミナルになっている。1533年に創立された西半球最古の都市の一つで、城壁で囲まれ、湿地と湖に隔てられた古い町がカルタヘナ湾岸に残っている。
[山本正三]
1984年、町並は「カルタヘナの港、要塞群と歴史的建造物群」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。
[編集部]
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