ホウチャクソウ(読み)ほうちゃくそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホウチャクソウ」の意味・わかりやすい解説

ホウチャクソウ
ほうちゃくそう / 宝鐸草
[学] Disporum sessile D.Don ex Schult. et Schult f.

ユリ科(APG分類:イヌサフラン科)の多年草。茎は分枝し、高さ30~50センチメートル。同属チゴユリによく似ているが、より大形である。花は筒形で、長さ2~3センチメートル。花被片(かひへん)は6枚で、斜開しない。名は、花のつく形を宝鐸(ほうちゃく)(堂塔四方の軒に吊(つ)るす大形の風鈴)に見立てたもの。林内や藪(やぶ)など陰地に生え、日本、および樺太(からふと)(サハリン)、朝鮮半島に分布する。

[清水建美 2018年11月19日]


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百科事典マイペディア 「ホウチャクソウ」の意味・わかりやすい解説

ホウチャクソウ

北海道九州東アジアの丘などの林地にはえるユリ科の多年草。茎は斜上し高さ30〜60cm,ときに1〜2回分枝する。葉は数個つき,長楕円形で長さ10cm内外。春,枝先に長さ3cm内外の筒形の花を1〜3個下垂してつける。花被片は6枚,白色で上半部は緑色を帯びる。液果球形で径約1cm,黒熟する。花の形を宝鐸に見たててこの名がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウチャクソウ」の意味・わかりやすい解説

ホウチャクソウ(宝鐸草)
ホウチャクソウ
Disporum sessile

イヌサフラン科の多年草。日本各地の竹藪林下などの陰地に生え,高さ 50cm以下でササの葉のような形の葉を互生する。茎にも葉にも毛はない。4~5月に短い柄をもちほとんど開かない六弁花を下向きにつける。花被の先のほうは緑色を帯びるが全体としては白い。液果は径 5~9mmで黒く熟する。

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