ホベリャノス(読み)ほべりゃのす(英語表記)Gaspar Melchor de Jovellanos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホベリャノス」の意味・わかりやすい解説

ホベリャノス
ほべりゃのす
Gaspar Melchor de Jovellanos
(1744―1811)

スペイン啓蒙(けいもう)主義を代表する作家、政治家。セビーリャマドリードで司法畑の役職を経験したのち司法大臣となる。しかしその進歩主義思想が災いして、寵臣(ちょうしん)ゴドイの不興を買ってマジョルカ島に軟禁される。ナポレオン軍侵入の際、釈放されて内務大臣の椅子(いす)を提供されるが断り、反フランス的な中央評議会の一員となって国民議会を招集、フランス軍に追われて逃げる途中没する。彼は一時代前のフェイホーよりもさらに具体的な提案、たとえば『農地法に関する報告書』(1795)や『公民教育の一般計画』(1809)などをもって、当時のスペインの後進性からの脱却を主張した。彼はまた戯曲『誠実な罪人』(1774)、高雅な叙情の『ファビオよりアンフリソへの書簡』を書いたが、結局は三巻に及ぶ『日記』(公刊は1915)により時代の証言者として歴史に名をとどめている。

[佐々木孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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