ボスケ(読み)ぼすけ(英語表記)Alain Bosquet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボスケ」の意味・わかりやすい解説

ボスケ
Bosquet, Alain

[生]1919.3.28. オデッサ
[没]1998.3.17. パリ
ウクライナ生れのフランス,ベルギー詩人,批評家,小説家。本名 Anatole Bisk。ブリュッセル自由大学,パリ大学文学部卒業後,ジャーナリストを経て,アメリカのブランダイス大学やフランスのリヨン大学の文学部で教鞭をとる。 1960~84年『モンド』紙の文芸欄を担当する一方,1961~71年には出版社カルマン・レビ Calmann-Lévyで文芸部長もつとめる。 76年アカデミー・マラルメ副議長,94年同議長に就任。おもな作品としては,詩集に『死んだ言葉』 Langue morte (1951) ,『第一の遺言』 Premier testament (57) ,『第二の遺言』 Deuxième testament (59) ,詩のゴンクール賞を受賞した"le Tourment de Dieu" (87) などがあるほか,小説『メキシコ告白』 la Confession mexicaine (1965) ,サルバドール・ダリ共著の『ダリとの対話』 Entretiens avec Dali (66) ,アカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞した自伝的小説『ロシア人の母』 Une mère russe (78) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボスケ」の意味・わかりやすい解説

ボスケ
ぼすけ
Alain Bosquet
(1919―1998)

フランスの詩人、小説家、ジャーナリスト。本名Anatole Bisk(e)、ウクライナのオデッサ(現、オデーサ)に生まれ、ベルギーで教育を受け、アメリカ、フランスを遍歴、1980年帰化。詩語の配列によって、外界の事物間の関係と、それらと主体との関係を組み替え、語と意味の関係を問い直し、詩語の再生と、その優越を前提とした、発語における詩人のアイデンティティの揺らぎを歌った。四つの『遺言』(1957、1959、1964、1965)から『われなき明日』(1994)に至る多くの詩集のほか、自伝を含む小説群、エッセイなどの作品がある。フランス・ベルギー詩の詞華集の編集も手がけた。『ノタ・ベネ』誌主宰。

[遠山博雄]

『窪田般彌訳『アラン・ボスケ』(『フランス現代詩29人集』所収・1984・思潮社)』『S・ダリ、ボスケ著、岩崎力訳『ダリとの対話』(1980・美術公論社)』

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