改訂新版 世界大百科事典 「ボルタ川」の意味・わかりやすい解説
ボルタ[川]
La Volta
アフリカ西部の川。主としてブルキナファソ(旧オートボルタ)に源を発し,ガーナを貫流してギニア湾に注ぐ。長さ約1600km。流域面積約40万km2。上流はそれぞれボルタ・ノアール(黒ボルタ),ボルタ・ブランシュ(白ボルタ),ボルタ・ルージュ(赤ボルタ)と呼ばれる支流河川からなる。ボルタ・ノアールはブルキナファソ南西部の丘陵に源を発し,まず北東方向に流れ,クーリ付近で流れを南東方向に変え,さらに南に流路を変えてコートジボアールとガーナの国境をなし,ガーナ中部で東に向かい,ボルタ・ブランシュと合流する。ボルタ・ブランシュはブルキナファソの中部高地ワガドゥグの北に源を発してほぼ南流し,同じワガドゥグの南西部に源を発するボルタ・ルージュとガーナ北部で合流し,その後多くの河川を集めながら,ほぼ南北にガーナを貫流している。
このボルタ川を開発するために,ガーナが独立当初から計画したのがボルタ計画で,その一環として,世界銀行やイギリス,アメリカなどの援助のもとに,1966年,4年の工期をかけてアコソンボ・ダムAkosombo Damが完成し,面積約8500km2におよぶ巨大な人工湖ボルタ湖が出現した。ダム直下の発電所は80万kWの発電能力をもち,ガーナのみならずトーゴ,ベニンに送電しており,ギニア湾岸の新港テーマにはアルミ製錬工場が操業している。また湖は農業や漁業,さらには水路にも利用されている。
執筆者:端 信行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報