ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポラーニー」の意味・わかりやすい解説
ポラーニー
Polanyi, Karl
[没]1964.4.25. カナダ
ハンガリー系の社会科学者。ブダペスト大学在学中に進歩的文化運動組織を主催したため,大学を追われた。第1次世界大戦に従軍したのち,1924~33年ウィーンの代表的経済誌"Der österreichische Volkswirt"のスタッフをつとめた。しかしナチスの台頭により 33年イギリスへ亡命。 40年招かれてアメリカに渡り,ペニントン大学に籍をおき,その間に主著『大転換』 The Great Transformation (1944) を完成。この著作は彼の研究の集大成であるとともに「経済人類学」と呼称される晩年の研究方向も示している。 47年コロンビア大学客員教授となり,53年引退するまで経済学,人類学,歴史学を講じた。主著はほかに"Dahomey and the Slave Trade" (66) など。
ポラーニー
Polanyi, Michal
[没]1976. オックスフォード
ハンガリー系の物理学者,哲学者。社会科学者 K.ポラーニーの弟。言語化以前の暗黙知 tacit knowledgeが共同体のなかで共有されることによって普遍的知識の基盤を保持するとする独自の知識論を唱え,科学哲学を中心とする領域に大きな影響を与えた。カールスルーエで化学を学び,1926年ベルリン大学教授,33~48年マンチェスターのビクトリア大学物理化学教授。のち同大学社会科学教授。また,オックスフォード,ケンブリッジ,シカゴ,エールなどの大学でも活躍。主著『個人的知識』 Personal Knowledge (1958) 。
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