ソ連の教育家、作家。ウクライナの鉄道工場労働者の子として生まれる。ポルタバ市の高等師範学校を卒業(1917)ののち、浮浪児や未成年の法律違反者を収容し再教育する施設「労働コローニャ」(後のゴーリキー・コローニャ)の所長として教育に尽くした(1920~1935)。ここでの教育経験が主著『教育詩』(1933~1935)を生むことになった。「人間に対する可能な限りの尊敬と要求」という人格尊厳の理念、および、個性の発達は集団においてこそ保証されるとする考え方は、「集団における集団による集団のための教育」という集団主義教育思想として展開された。さらに、ジェルジンスキー記念コムーナの指導を通して青少年の生産労働と集団教育との結合を主張し、実践記録『塔の上の旗』(1938)では、集団の教育力を重視した社会主義教育の原理を説いている。諸種の教育手段の調和的構成体のなかでのみ人間形成は可能であり、児童集団はソビエト社会の一部であるという考え方は、教育と政治との緊密な連関を強調するソビエト社会の構成原理に連なるものであった。主著には、前記のほか『親のための本』(1938)、『愛と規律の家庭教育』(1938)がある。
[舟山俊明]
『マカレンコ全集刊行委員会編訳『マカレンコ全集』全8巻(1964~1965・明治図書出版)』▽『ソビエト教育学研究会編訳『マカレンコ研究』(1965・明治図書出版)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新