ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マッカリー」の意味・わかりやすい解説
マッカリー
McCarey, Leo
[没]1969.7.5. カリフォルニア,サンタモニカ
アメリカ合衆国の映画監督,脚本家,プロデューサー。フルネーム Thomas Leo McCarey。軽快なコメディやセンチメンタルなドラマを得意とする。南カリフォルニア大学ロースクールを卒業後,トッド・ブラウニング監督のもとで助監督を務めたのち,1923年にハル・ローチ・スタジオに監督およびコメディ映画の脚本家として入社。2年後には同社の副社長に就任した。人気喜劇俳優スタン・ローレルとオリバー・ハーディの出演作 19本を監修(うち 3本を監督)し,コメディのセンスを磨いた。1933年パラマウント映画と契約。移籍後初監督作となるマルクス兄弟主演の『我輩はカモである』Duck Soup(1933)は,公開時こそ不評だったものの,いまではコメディ映画史上最高傑作の一つとされている。ラブコメディの傑作『新婚道中記』The Awful Truth(1937)でアカデミー賞監督賞を受賞。ビング・クロスビー主演の『我が道を往く』Going My Way(1944)は,アカデミー賞作品賞,監督賞など 7部門を受賞した。晩年は私生活のトラブルや重大な自動車事故に見舞われ,制作本数が激減。自身の大ヒット映画『邂逅(めぐりあい)』Love Affair(1939)をリメークした『めぐり逢い』An Affair to Remember(1957)が唯一の代表作となった。
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