日本大百科全書(ニッポニカ) 「マホガニー」の意味・わかりやすい解説
マホガニー
まほがにー
mahogany
[学] Swietenia mahagoni Jacq.
センダン科(APG分類:センダン科)の常緑高木。高さ30メートル、径1.8メートルに達する。樹皮は赤褐色、鱗片(りんぺん)状にはげる。葉は互生し、偶数羽状複葉。小葉は3、4対、卵形または卵状長楕円(ちょうだえん)形でゆがんでおり、長さ約5センチメートル、先はとがる。8月、円錐(えんすい)花序をつくり、淡黄緑色で径約1センチメートルの小花を開く。萼(がく)は浅く5裂し、花弁は5枚。雄しべは花糸が筒状に合着する。果実は卵形の蒴果(さくか)で長さ10~15センチメートル、10~11月、暗褐色に熟して5裂する。種子は広い翼があり、刀形で長さ5~6センチメートル。北アメリカのフロリダ最南部、西インド諸島に分布する。心材は濃赤褐色、堅くて重く、強い。磨くと美しい光沢が出るので、家具材や室内装飾材として優れ、古くからヨーロッパに輸出された。近縁のオオバマホガニーS. macrophylla Kurzは中央アメリカから南アメリカに分布し、現在は単にマホガニーとして使われている。高さ45メートル、径2メートルに達し、小葉は披針(ひしん)状長楕円形で長さ10~15センチメートルとマホガニーより大きく、花は白色または緑白色である。成長が速く、種子の生産がよいため、各地で造林され、並木や庭園樹とされる。このほか、センダン科、マメ科、アカテツ科、フトモモ科などの種類の類似材も俗にマホガニーといわれている。
[小林義雄 2020年10月16日]