ママコナ(読み)ままこな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ママコナ」の意味・わかりやすい解説

ママコナ
ままこな / 飯子菜
[学] Melampyrum roseum Maxim. var. japonicum Fr. et Sav.

ゴマノハグサ科(APG分類:ハマウツボ科)の半寄生の一年草。茎はまばらに分枝し、高さ20~50センチメートル。葉は対生し、長卵形で先端はとがり、鋸歯(きょし)はない。夏から初秋、枝先に総状花序をつくり、多くの紅紫色花を開く。花冠は唇形、上唇は冑(かぶと)形、下唇(かしん)は基部に白斑(はくはん)がある。山地の林縁に生え、北海道南部から九州、および朝鮮半島に分布する。名は、下唇の白斑を米粒に見立てたとも、若い種子が米粒に似るからともいう。基本種のツシマママコナは花序は長くて花をややまばらに開き、花軸に毛が少ない。中部地方以西の本州、九州、および朝鮮半島、中国に分布する。

 近縁ミヤマママコナ深山飯子菜)M. laxum Miq. var. nikkoense Beauv.はママコナに似るが、包葉の先端はやや丸みを帯び、花冠は下唇の基部に黄色の斑点(はんてん)がある。深山の疎林下に生え、北海道西南部、中部地方以北の本州に分布する。基本種シコクママコナは包葉に刺毛(しもう)状の歯牙(しが)を散生し、東海地方以南の本州、四国、九州に分布する。

山崎 敬 2021年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ママコナ」の意味・わかりやすい解説

ママコナ(飯子菜)
ママコナ
Melampyrum roseum var. japonicum; cowwheat

ハマウツボ科の一年草で,日本全土と朝鮮半島に分布する。乾いた山林に生える半寄生植物。茎は 20~50cmで直立する。葉は対生し,全縁,長さ 3~5cmの長卵形で先はとがり,短い柄をもつ。6~8月に,茎頂に白い軟毛の密生した総状花序をつける。包葉は葉状で緑色,縁には刺毛状の鋸歯があり,両面に短毛がある。萼は毛が多く,裂片は細くてとがる。花冠は長さ 2cmほどの紅色の筒形で先は唇形である。蒴果は先がとがり,中に黒褐色の種子が 2個ある。

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