日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラヤ石」の意味・わかりやすい解説
マラヤ石
まらやせき
malayaite
チタン石(くさび石)と同構造の鉱物で、チタンのかわりにスズを含む。普通、粒状で、短波長の紫外線を当てると鮮やかな黄緑色に輝く。スカルン型鉱床中にスカルン鉱物の一つとして、珪灰(けいかい)石や透輝石などと産することが多い。日本では、宮崎県高千穂町土呂久(とろく)鉱山(閉山)、山口県美川(みかわ)町(現、岩国市)玖珂(くが)鉱山(閉山)、岡山県備中(びっちゅう)町(現、高梁(たかはし)市)山宝(さんぽう)鉱山(閉山)など産地はまれでないが、多量に産出することはない。ほかに、気成鉱床からも錫(すず)石の上に産することがあり、この鉱物の原産地マレーシアのマラヤ州ペラク地方の錫鉱床はこの型である。名称は産地にちなむ。
[松原 聰]
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