マラヤ石(読み)まらやせき(その他表記)malayaite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラヤ石」の意味・わかりやすい解説

マラヤ石
まらやせき
malayaite

チタン石くさび石)と同構造の鉱物で、チタンのかわりにスズを含む。普通、粒状で、短波長の紫外線を当てると鮮やかな黄緑色に輝く。スカルン型鉱床中にスカルン鉱物の一つとして、珪灰(けいかい)石や透輝石などと産することが多い。日本では、宮崎県高千穂町土呂久(とろく)鉱山閉山)、山口県美川(みかわ)町(現、岩国市)玖珂(くが)鉱山(閉山)、岡山県備中(びっちゅう)町(現、高梁(たかはし)市)山宝(さんぽう)鉱山(閉山)など産地はまれでないが、多量に産出することはない。ほかに、気成鉱床からも錫(すず)石の上に産することがあり、この鉱物の原産地マレーシアのマラヤ州ペラク地方の錫鉱床はこの型である。名称は産地にちなむ。

松原 聰]


マラヤ石(データノート)
まらやせきでーたのーと

マラヤ石
 英名    malayaite
 化学式   CaSnSiO5
 少量成分  Ti
 結晶系   単斜
 硬度    3.5~4
 比重    4.3
 色     淡黄褐~白
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    未決定
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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