珪灰石(読み)ケイカイセキ(英語表記)wollastonite

デジタル大辞泉 「珪灰石」の意味・読み・例文・類語

けいかい‐せき〔ケイクワイ‐〕【×珪灰石】

カルシウム珪酸塩鉱物ガラス光沢がある白または灰色板状柱状結晶三斜晶系石灰岩深成岩接触により熱変成作用を受けてできる。ウォラストナイト

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精選版 日本国語大辞典 「珪灰石」の意味・読み・例文・類語

けいかい‐せき ケイクヮイ‥【珪灰石】

〘名〙 三斜晶系鉱物の一つ。カルシウムを含む珪酸塩成分で、無色、または灰白色。石灰岩と花崗(かこう)岩、または閃緑(せんりょく)岩などの接触部において熱変成作用の結果生じたもの。釉薬や絶縁碍子(がいし)などに用いられる。卓石(たくせき)。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「珪灰石」の意味・わかりやすい解説

珪灰石
けいかいせき
wollastonite

石灰岩接触帯に産する主要なスカルン鉱物の一つで、透輝石ベスブ石、灰礬(かいばん)ざくろ石、方解石石英などとよく共生して産する。また広域変成岩中、火山岩の石灰岩起源捕獲岩中にも産する。普通白色の繊維状結晶の集合をなすが、しばしば板柱状結晶もみられる。繊維状の透閃(とうせん)石や透輝石に似ているが、硬度が低い。パラ珪灰石といって、単位格子スケールの双晶の繰り返しでできた単斜晶系のポリタイプ(多型)があるが、普通の珪灰石とは結晶学的、光学的にのみ識別され、肉眼では区別できない。一つの標本中、両者が混在している例もまれでない。珪灰石より褐色みが強く、鉄を多く含むため、鉄珪灰石といわれていたものは、鉄バスタム石という独立種になった。これも石灰岩接触帯に産し、灰鉄輝石、方解石などに伴う。英名はイギリスの鉱物学者・化学者であったウォラストンにちなんで命名された。

松原 聰]

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