マルシャン(読み)まるしゃん(英語表記)Louis Marchand

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルシャン」の意味・わかりやすい解説

マルシャン
Marchand, Jean-Baptiste

[生]1863.11.22. トアシー
[没]1934.1.13. パリ
フランス軍人。陸戦隊将校として 1889年以降西アフリカ,特にセネガル,上ナイル地方,次いでコートジボアール内地探検に参加。 97年イギリスのアフリカ縦断政策阻止の命を受けて,翌年7月 10日スーダンのファショダでイギリス軍と衝突 (→ファショダ事件 ) 。次いで 1900年中国の義和団事変に際し遠征し,04年退役。第1次世界大戦で復帰し,16年ベルダン会戦に参加。

マルシャン
Marchand, André

[生]1907.2.10. エクサンプロバンス
[没]1997
フランスの画家。パリで絵を学び,強烈な色彩表現主義的作風を確立。 1941年の「フランス伝統青年画家」の創立メンバーで,サロン・ド・メで活躍壁画タペストリーなどの制作もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルシャン」の意味・わかりやすい解説

マルシャン(Louis Marchand)
まるしゃん
Louis Marchand
(1669―1732)

フランスのオルガン奏者、作曲家。リヨンに生まれ、各地教会オルガン奏者を経て、パリで教会と宮廷で活躍した。しかし1717年フランスを離れ、ドイツに演奏旅行を行う。この際バッハと競演して敗れたという挿話があるが真実は不明。のちパリに戻り、ふたたびオルガン奏者として活動し、パリに没した。作品はオルガン曲、チェンバロ曲が残されている。そのなかには、旋律の簡明さに対しきわめて生気に満ちたリズムを用い、綺想(きそう)曲風な個性的スタイルをとる作品が多い。

[美山良夫]


マルシャン(André Marchand)
まるしゃん
André Marchand
(1907―1998)

フランスの画家。セザンヌの生地としても知られるエクサン・プロバンスに生まれる。故郷やブルゴーニュでの光と自然の探究から、表現主義的な強い色彩対比により、装飾的な風景や人物を描く。1941年のパリにおける対独レジスタンス的意味合いをもった「フランス伝統青年画家」展の創立メンバーで、このグループはのちサロン・ド・メに発展し、その創立会員としてフランス画壇で活躍。絵画のほか、タペストリーや壁画なども多く手がけた。

[染谷 滋]

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