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熱帯病 ネッタイビョウ

大辞林 第三版の解説

ねったいびょう【熱帯病】

熱帯地方に多く見られる病気の総称。リケッチア感染による発疹チフス・スピロヘータ感染による熱帯フランベジア、原虫感染によるカラアザール・アフリカ嗜眠しみん病・アメーバ赤痢・マラリアなど。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

熱帯病
ねったいびょう

高温多湿で発展途上国の多い熱帯地方(東南アジア、アフリカ、南アメリカなど)に風土病として持続的に多発する疾患の総称で、多種多様のものが含まれる。日本で夏季に多発する疾患はほとんどが熱帯病と共通しているが、熱帯地方では重篤になりやすい点が異なる。また、日本では根絶されたとみられるマラリアなどの疾患でも、熱帯地方には残っているものが多く、海外旅行などの際には注意が必要である。熱帯病のなかには、輸入伝染病として日本国内で発生するものもある。
 熱帯病の発生原因は、自然条件と社会条件に大別して考えられる。熱帯地方の自然条件は各種の病原微生物の生育および繁殖に適していることが多く、また病原微生物を媒介する動物の成育や繁殖にも適していることがあげられる。社会条件としては、住民の衛生状態の改善が全般的に遅れており、また生活水準の改善も遅れていて栄養障害を有する住民が多く、重篤患者発生の一因ともなっている。
 熱帯病にはマラリアをはじめ、黄熱、デング熱、アメーバ赤痢、コレラ、睡眠病、カラ・アザールのほか、熱帯性潰瘍(かいよう)、熱帯フランベジア、スプルーなどが知られる。熱帯性潰瘍は熱帯性侵食潰瘍ともよばれ、ハエの媒介によってある種のスピロヘータや紡錘状桿菌(かんきん)などの雑菌の混合感染がおこり、四肢とくに下腿(かたい)下半部に悪性の潰瘍を生ずるもので、苦力(クーリー)病とか安南(アンナン)病とよばれていた疾患も同じものである。熱帯フランベジアは、ある種のスピロヘータの感染による梅毒によく似た疾患であるが、性交とは関係がない。スプルーは、脂肪性下痢をおこす慢性無熱性疾患で、吸収不良症候群の一型とみられている。[柳下徳雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の熱帯病の言及

【熱帯医学】より

…熱帯地方に特有の疾病を克服するためには,これらの多くの原因を押さえた方策をとることが必要となっている。 熱帯地方には,風土病として持続的に多発する疾患があり,これらの風土病を一括して熱帯病と呼んでいる。熱帯医学が対象とする主要な疾病はこれらの熱帯病である。…

【風土病】より

…風土病には,その地域の地理,気候,生物相,土壌などの自然環境と,住民の衣食住の様式や習慣,因習および栄養障害の有無など種々の要因が関係している。熱帯地方に風土病的にみられる疾病は,一括して熱帯病と呼ばれることがある。現在では,かつて世界各地にみられた風土病は,住民の生活水準の向上や環境衛生の向上によってだんだんと消滅する方向にあり,風土病の分布状態も時代とともに変遷している。…

※「熱帯病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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