ミゾホオズキ(読み)みぞほおずき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミゾホオズキ」の意味・わかりやすい解説

ミゾホオズキ
みぞほおずき / 溝酸漿
[学] Mimulus nepalensis Benth.

ゴマノハグサ科(APG分類:ハエドクソウ科)の多年草。全草、柔らかい。茎は多く枝分れして広がり、長さ10~30センチメートル。葉は対生し、卵形で長さ1~4センチメートル、幅0.5~2センチメートル、縁(へり)に少数鋸歯(きょし)がある。夏、葉腋(ようえき)に黄色花を開く。花冠、萼(がく)ともに筒状で、萼の先に5個の突起がある。果実ホオズキに似ており、袋状に肥大した萼に包まれる。山地の水湿地に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤに分布する。名は溝に生えるホオズキの意味である。ミゾホオズキ属は北アメリカを中心に約100種知られ、一部は観賞用に栽培される。オオバミゾホオズキM. sessilifolius Maxim.は日本海側の山地の水湿地に生え葉は柄がなく、花は大きい。

山崎 敬 2021年10月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミゾホオズキ」の意味・わかりやすい解説

ミゾホオズキ
Mimulus nepalensis var. japonicus

ゴマノハグサ科の多年草で日本全土,東アジア,ヒマラヤに分布する。谷川や溝のほとりに生える。茎は高さ 10~30cmでよく分枝し,4稜があって軟質である。葉は対生で上部のもののみ無柄,長さ2~4cmの卵形広楕円形で先はとがり,縁にあらい鋸歯がある。夏の間次々と茎の上部の葉腋に黄色の小花をつける。萼は筒状で5稜あり,稜には狭い鰭があって先は小突起となる。花冠は長さ1~2cmの唇形で先は5片に裂ける。 蒴果は長楕円形で萼に包まれ多数の種子を含む。

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