ミレニアム発展目標(読み)みれにあむはってんもくひょう(その他表記)Millennium Development Goals

知恵蔵 「ミレニアム発展目標」の解説

ミレニアム発展目標

貧困、教育、ジェンダー、保健、環境など、今日の国際社会が直面している諸問題に関して、2015年までの達成を課題とする発展・開発目標。1990年代に行われたサミット(主要国首脳会議)や国連(UN)での一連議論もとに、国連、経済協力開発機構(OECD)、IMF、及び世界銀行によって策定され、2000年9月の国連総会で149カ国の国家元首の承認を得て採択された。主な発展目標として、(1)絶対的貧困と飢餓撲滅(1日1ドル未満で生活している人々の世界人口に占める割合を14.5%に削減)、(2)初等教育の完全普及、(3)ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの達成(全段階の教育における男女均等の機会を確保)、(4)子供の死亡率の削減(5歳未満乳幼児の死亡率を1000人当たり29人に削減)、(5)妊産婦の健康の改善(医師・看護師の立ち会い下での出産の比率を90%に増加)、(6)エイズマラリアなどの疾病蔓延(まんえん)の防止、(7)持続可能な環境の形成(スラム居住者のうち、最低1億人の人々の生活環境の顕著な改善など)、及び(8)グローバル・パートナーシップの構築(政府開発援助〈ODA〉の増額など)が挙げられている。02年2月に、世界銀行は、目標の達成には年間400億〜600億ドルの追加的支援が必要であるとの試算を発表したが、これは、現行のODAを2倍に増加させる必要があることを意味している。

(室井義雄 専修大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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