ミンククジラ(読み)みんくくじら(英語表記)minke whale

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミンククジラ」の意味・わかりやすい解説

ミンククジラ
みんくくじら
minke whale
[学] Balaenoptera acutorostrata

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目ナガスクジラ科のヒゲクジラ。コイワシクジラともよばれたが、小さいイワシクジラと誤解されやすいので、近年ではこの名はほとんど使われない。体は紡錘形で、ナガスクジラ科のなかの最小種であり、くちばしがとがっている。背側が黒く、腹側が白いが、中間に特徴ある模様がみられる。胸びれに白帯があるが、南半球産の近縁種クロミンククジラB. bonaerensisではそれが明瞭(めいりょう)でない。くじらひげは黄白色で、クロミンククジラでは外側に黒帯がみられる。出生体長は2.7メートルで、成体の平均体長は系統と性によって差があるが、8~9メートルであり、その体重は約6トンである。氷海から熱帯の海まで広く分布し、小さな付属海にもこの種がみられる。クロミンククジラは南極ではパックアイス(流氷)の中にも侵入する。オキアミ類を主食とし、群集性魚類も好んで食べる。古くから世界の捕鯨の対象となっていたが、1986年以来国際捕鯨委員会(IWC)によって商業捕鯨による捕獲が禁止されている。資源量は豊富で、クロミンククジラだけでも76万頭以上が生息する。ミンククジラは北太平洋で3万2000頭、北大西洋で20万頭が生息する。

[大隅清治]


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