ミンスキー(読み)みんすきー(英語表記)Николай Максимович Минский/Nikolay Maksimovich Minskiy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミンスキー」の意味・わかりやすい解説

ミンスキー
Minsky, Marvin

[生]1927.8.9. ニューヨーク,ニューヨーク
[没]2016.1.24. マサチューセッツ,ボストン
アメリカ合衆国の科学者。フルネーム Marvin Lee Minsky。人工知能分野の先駆者であり,認知心理学ニューラルネットワーク,記号数学の研究にも貢献した。1950年ハーバード大学で数学の学士号を取得,1954年プリンストン大学で博士号を取得し,研究員としてハーバード大学に戻った。1951年に世界初のランダム結線型ニューラルネットワーク学習マシン SNARCを製作,1955年に共焦点顕微鏡を発明した。1957年にマサチューセッツ工科大学 MITに移り,コンピュータを使って人間の思考をモデル化する研究に取り組む。1959年コンピュータ科学者ジョン・マッカーシーとともに MIT人工知能プロジェクト(のちに MITコンピュータ科学・人工知能研究所に発展)を開始した。1975年,コンピュータに具体的な指示を与える前にプログラムしておくべき一般的な情報を特定し定義するフレーム理論を提唱した。著書に『パーセプトロン』Perceptrons: An Introduction to Computational Geometry(1969,シーモア・パパートとの共著),『心の社会』The Society of Mind(1985)など。1969年テューリング賞,1990年日本国際賞,2001年ベンジャミン・フランクリン・メダルなど受賞多数。

ミンスキー
Minskii

[生]1855.1.27. ビレンスカヤ,グルボーコエ
[没]1937.7.2. パリ
ロシアの詩人,小説家。本名 Nikolai Maksimovich Vilenkin。最初ナロードニキに近い立場から詩を書き,叙事詩『最後の告白』 Poslednyaya ispoved' (1879) などを発表したが,権力に対する憎悪から,一切のものに絶望を示すデカダン派のグループに属すようになった。 1905年反政府運動に加わって逮捕されたのち,パリに亡命し,戯曲3部作『鉄の幻影』 Zheleznyi,prizrak (1909) ,『小さな誘惑』 Malyi soblazn (10) ,『カオス』 Khaos (12) を書いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミンスキー」の意味・わかりやすい解説

ミンスキー
みんすきー
Николай Максимович Минский/Nikolay Maksimovich Minskiy
(1855―1937)

ロシアの作家。本名はビレンキンВиленкин/Vilenkin。ペテルブルグ大学卒業(1879)。1876年に文壇に登場。初期の詩はナロードニキに共感をもって迎えられ、処女詩集は検閲に没収された(1883)が、反体制的憎悪は希薄であった。論文「古い論争」(1884)は、「行為、創作における自己神格化」に行き着く個人主義を鼓吹するロシア退廃派の最初の宣言とされる。1905年に新聞『新生活』を発刊レーニンが編集権を握り、ために体制転覆のかどで逮捕され、国外に出た。ほかにパリで書いた劇三部作『鉄の幻影』『小さな誘惑』『混沌(こんとん)』(1909~12)が重要。

[島田 陽]

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