ミンダナオ

百科事典マイペディア 「ミンダナオ」の意味・わかりやすい解説

ミンダナオ[島]【ミンダナオ】

フィリピン南東部の大島。フィリピン諸島中第2の面積をもつ。山がちで火山も多い。最高点はアポ山。海岸線は出入に富む。高温多湿の熱帯性気候でチーク・ラワン材(日本向け),米,ココヤシ,バナナ,マニラ麻を産する。鉱産物も多く,スリガオ鉄山は有名。製鉄,化学工業もある。住民は元来,モロと総称されるイスラム教徒諸民族(マラナオ人,マギンダナオ人など)と,山岳諸民族であった。16世紀にはプラギ川流域にイスラム国家マギンダナオ王国が成立し,スペインの侵略に抗して独立を守ったが,20世紀に入ると米国の支配に服した。その後キリスト教徒の大量入植が行われ,イスラム教徒は少数派となって自らの独自性を否定された。1970年代以降,ミンダナオ島スールー諸島の独立を求める武装闘争がモロ民族解放戦線MNLF),モロ・イスラム解放戦線(MILF)などによって展開され,内戦となった。1990年代に入って和平調停が行われていたが進展は見られなかった。しかし,2010年に就任したベニグノ・ノイノイ・アキノ大統領がMILFと積極的に和平交渉を進め,14年3月包括的和平合意書の調印に成功,40年以上に渡って続いた武力紛争終結の見通しがつけられた。14年12月に巨大台風に襲われ,死者1067人,行方不明者834人(14年12月25日現在),バナナ農場や集落が壊滅的打撃を受けるという大きな被害が出ている。主都ダバオ。9万4630km2。1422万人(1990)。
→関連項目フィリピン

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミンダナオ」の解説

ミンダナオ
Mindanao

フィリピン南部のミンダナオ島とスールー諸島の,特にイスラーム教徒の居住地域をさす。分類分布把握がきわめて困難な数多くの民族言語集団が分散居住する。アメリカ統治期になってから多数のキリスト教徒が移住して,フロンティア社会を形成した。イスラーム教徒の独立・自治権獲得運動,先住権経済開発など,さまざまな問題をかかえる。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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