改訂新版 世界大百科事典 「メッサリナ」の意味・わかりやすい解説
メッサリナ
Valeria Messalina
生没年:25ころ-48
ローマのクラウディウス1世の3番目の妃。アウグストゥスの姉オクタウィアの曾孫女に当たり,15歳くらいで,彼女の母ドミティア・レピダの又従兄に当たる48歳のクラウディウスと結婚,クラウディウスが帝位についた41年には,娘オクタウィアに次いで,息子ブリタニクスを産んだ。しかし彼女の性格は奔放で,陰謀を好み,弱い性格のクラウディウスに働きかけて多くの近親や高官などを追放に処し,その中にはセネカも数えられた。また多くの男性と親密な関係を結び,街に出て下層の男とも交わったと噂された。ついに富裕な貴族C.シリウスとの正式の結婚を決行し,クラウディウスの暗殺を企てたが,帝の側近の解放奴隷ナルキッススに摘発され,逮捕・処刑された。
執筆者:秀村 欣二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報