メトロノーム(読み)めとろのーむ(英語表記)metronome 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メトロノーム」の意味・わかりやすい解説

メトロノーム
めとろのーむ
metronome 英語
Metronom ドイツ語
Taktmesser ドイツ語

音楽のテンポを客観的に示す器具。1812年にオランダのウィンケルが発明し、それをドイツのメルツェルが改良して、16年にメトロン(拍、韻律)とノモス規準)の二つのギリシア語からの造語メトロノームの名で特許をとった。上下に錘(おもり)をつける複振子原理を応用したぜんまい仕掛けのもので、上方可動の錘を上下させ振動の周期を調節し、カチカチと音を発して拍を刻む。これを初めて作曲の速度指示に用いたのはベートーベンといわれており、以後1分間に刻む拍数をM. M. (Mälzel's Metronomeの略)♩=72のように表示するメトロノーム記号が定着した。今日では電気によるさまざまなメトロノームもつくられ、広く用いられている。

[川口明子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メトロノーム」の意味・わかりやすい解説

メトロノーム
metronome

楽曲のテンポを一定に保つための機械。 1812年オランダの D.ウィンケルにより発明されたが,現在一般に用いられるのはドイツの J.メルツェルが 16年に特許をとったもの。約 15cmの棒に移動可能な錘 (おもり) が取付けられ,またその下端に固定された錘があり,複振子の原理を応用している。錘を上下に調節することにより棒の長さ,ひいては振り子の周期を変え,1分間に打たれるべき基本音符の数が決定される。ほかに懐中用の小型のものや,振り子の代りに電気発振を使った電気メトロノームもある。

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