メドロキシプロゲステロン酢酸エステル製剤（読み）メドロキシプロゲステロンサクサンエステルセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル製剤

製品名
ヒスロンH（協和キリン）
プロゲストン（富士製薬工業）

　女性ホルモンの黄体おうたいホルモンを主成分とする薬で、乳ガン、子宮体しきゅうたいガン（内膜ガン）の治療に用いられます。プロゲストンは高容量（200mg/1錠）の薬剤が用いられます。

①発疹ほっしんなどの過敏症状が現れることがあります。過敏症状が現れたときは服用を止め、すぐ医師に報告してください。

②脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症、うっ血性心不全、アナフィラキシー、乳頭水腫（視力の低下または消失）などが現れることがあります。このような症状が現れたときは、使用をやめて、すぐ医師に報告してください。また、子宮出血、乳房痛、月経異常、帯下たいげ（こしけ）、食欲亢進・不振、吐き気・嘔吐おうと、下痢、かゆみ、頭痛、倦怠感けんたいかん、血圧上昇、多毛、脱毛、満月様顔貌まんげつようがんぼう、じんましん、めまい、不眠、抑うつ、神経過敏、浮腫、体重増加などが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。

①錠剤です。服用するときは医師・薬剤師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、増量・減量しないでください。

②過去にこの薬で重い過敏症状をおこしたことのある人は使用できません。

③手術後1週間以内の人、脳梗塞・心筋梗塞・血栓静脈炎などをおこした人または過去にこれらの病気をおこしたことのある人、動脈硬化症や心臓に障害のある人、重い肝障害の人、高カルシウム血症の人、ホルモン剤やステロイド（副腎皮質ホルモン）剤を使用している人、診断未確定の性器出血、尿路出血、乳房病変のある人などは、この薬を使用できません。

④手術後1か月以内の人、高血圧症・糖尿病・脂質異常症・肥満症・腎障害、心障害などのある人、うつ病の人またはその既往歴のある人、てんかんの人またはその既往歴のある人、片頭痛へんずつうの人、気管支喘息・慢性の肺機能障害のある人またはその既往歴のある人、ポルフィリン血症のある人などは、重い副作用が現れることがあるので、使用にあたって注意が必要です。

⑤妊婦、現在妊娠している可能性のある人には使用できません。また、母乳で授乳中の人は服用できないことがあります。

⑥副作用の出現を早期に発見するため、血液検査、肝機能検査、腎機能検査などを頻繁に行う必要があります。医師から指示された検査は、必ず受けてください。

　他のホルモン剤やステロイド剤と併用すると、血栓症をおこすことがあります。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版