ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルツ」の意味・わかりやすい解説
メルツ
Merz, Friedrich
フリードリヒ・メルツ。ドイツの法律家,ロビイスト,政治家。首相(在任 2025~ )。2022年に中道右派キリスト教民主同盟 CDUの党首に選出され,2025年2月の連邦議会選挙で同党が勝利したことをうけて,5月に首相に就任した。
大学卒業後は判事,弁護士として活動し,1989~94年ヨーロッパ議会議員,1994~2009年ドイツ連邦議会議員。アンゲラ・メルケルとの権力闘争の末,2009年に政界を去り企業の顧問弁護士として国際的に活躍するかたわら,欧米の政治家やビジネスリーダーとの協力関係を築く超党派のロビー団体,アトランティック・ブリッジの代表を務めた。2018年に政界復帰を表明し,2021年に連邦議会で議席を再び獲得,2022年に CDU党首に選出された。2024年12月にオラフ・ショルツ首相の信任投票が議会で否決されたことをうけて行なわれた 2025年2月23日の連邦議会選挙(定数 630)では,投票率が 1990年以来最高の 82.5%を記録するなか,CDUとキリスト教社会同盟 CSUの統一会派 CDU・CSUは得票率 28.6%,議席数 208を獲得して勝利した。同 4月には第三党で中道左派のドイツ社会民主党 SPDと「大連立」を組むことで合意し,5月6日,連邦議会での 2回目の投票で首相に選出された。
メルツ
Merz, Georg
[没]1959.11.16.
ドイツの神学者。ミュンヘンの牧師 (1918) ,ベーテル神学校講師 (30) ,シュバインフュールトの監督 (39) ,ノイエンデッテルソウ神学大学総長をつとめた (47) 。 K.バルト,F.ゴーガルテンらの刊行した"Zwischen den Zeit" (『時の間に』 22~33) の編集者として弁証法神学の発展に貢献。またルター研究家としてもすぐれた業績を上げており,ミュンヘン版『ルター著作集』を共同で刊行した。主著"Der vorreformatorische Luther" (26) ,"Glaube und Politik im Handeln Luthers" (33) ,"Die Begegnung Karl Barths mit der deutschen Theologie" (56) 。
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